コンテンツSEO オウンドメディアの設計から作り方、運用まで立ち上げの手順を解説!

オウンドメディアを立ち上げようと考えても、どうやって作るのか、成果を出すにはどのように運用すればよいのか分からないのではないでしょうか?この記事では、オウンドメディアの設計から作り方、サイト構築、SEO対策、運用・分析まで、オウンドメディアの立ち上げ手順を解説します。
オウンドメディアの設計
成果が出るオウンドメディアを立ち上げるためには、設計から考える必要があります。
設計段階で考えることは以下の3点です。
・運用する目的を明確にする
・ターゲットを選定する
・集客方法を決める
運用する目的を明確にする
オウンドメディアの設計段階では、運用する目的を明確にしておく必要があります。目的があいまいなままオウンドメディアを運用しても、十分な効果は得られません。
オウンドメディアを運用する目的として代表的なものは以下の通りです。
・自社のブランディング
・リードナーチャリング
・人材確保
オウンドメディアの目的を明確にするとき注意する必要があるのは、オウンドメディアの目的と企業の目的を混同しないようにすることです。新規リードを獲得する、リードナーチャリングを実施することは、オウンドメディアの役割であって、企業の最終目標ではありません。新規リード獲得を目的としてしまうと、本来の目的を達成できなかったり、目的を達成した後にもコストが発生し続けたりするでしょう。
オウンドメディアを運用する目的に応じて、ターゲットを選定し集客方法を決め、サイトの構成や制作するコンテンツを決定する必要があります。
ターゲットを選定する
オウンドメディアを運用する目的に応じて、集客するターゲットを選定します。
ターゲットを設定しないままオウンドメディアを運用すると、見込み顧客以外まで集客したり、効率よく集客出来なくなったりするでしょう。
例えば、BtoBサービスの販売が目的の場合は、企業やサービスの購入を決定できる担当者がターゲットです。一般消費者をターゲットにしても、自社サービスの購入には繋がりにくくなります。
ターゲットの絞り込みが出来た後は、ペルソナ設定まで進めておきましょう。
集客方法を決める
オウンドメディアを運用する目的とターゲットに合わせて、最適な集客方法を決めましょう。
主な集客方法は以下の3つです。
・検索流入
・SNS運用
・広告配信
検索流入で集客する場合には、SEO対策が必要になります。成果がでるまでには一定の時間がかかりますが、費用対効果の高い集客が可能です。目的やターゲットにマッチしたコンテンツを制作し、検索上位表示できれば、長期間のアクセスが見込めます。ただし、オウンドメディアがYMYL領域の場合には、高い権威性や専門性が求められます。
SNS運用で集客する場合は、TwitterやInstagram、Facebookなどのアカウントを開設・運用してフォロワーを獲得、情報発信しながらオウンドメディアへ誘導します。検索流入より低予算で集客できますが、十分なフォロワーを集めるまでに時間がかかったり、目的に合ったリードが獲得出来なかったりするかもしれません。また、SEO記事がストック型コンテンツであるのに対しSNSはフロー型のコンテンツなので、集客するためには長期間運用し続ける必要があります。
広告配信で集客する場合は、リスティング広告やSNS広告、動画広告などを配信します。さまざまなプラットフォームで広告を配信できるので、広範囲なターゲットから集客できます。ただし、広告配信には一定の費用が必要です。競合が激しい場合は広告費が高くなります。また、広告の配信停止と同時に集客もできなくなるため、集客するためには広告を配信し続ける必要があります。
効率よく集客するためには、特定の集客方法にこだわり過ぎないことも重要です。競合が激しいキーワードなら、検索上位を狙うよりリスティング広告を配信する方がメリットが多いケースもあります。SNSで記事が拡散されれば、被リンク獲得に繋がりSEO効果も期待できるでしょう。
オウンドメディアの作り方
オウンドメディアの作り方には、外注するか内製するかの2種類の方法があります。
外注する場合と内製する場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
外注 | ・クオリティが高い ・短期間の制作・運用が可能 | ・高額なコストが発生 ・ノウハウの蓄積が難しい |
内製 | ・制作・運用コストが低い ・ノウハウが蓄積できる | ・スタッフの能力によってクオリティが変動 ・成果が出るまでに時間がかかる |
外注する
オウンドメディアを外注する場合は、クオリティの高いサイトを構築でき、最小限のスタッフで運用できます。ただし、高額な初期費用が必要な上に、コンテンツの追加や運用・分析にも継続的に費用が発生します。オウンドメディアを運用する目的やコンセプトについて制作会社としっかり話し合っておかなければ、満足できる品質にならないかもしれません。
また、すべてを同じ会社に外注するのではなく、以下のように作業内容を分けて別の会社に外注することも可能です。
・サイトの構築
・コンテンツの追加、修正
・SEO対策
・運用、分析
いずれにせよ、自社スタッフが積極的に関わることをおすすめします。すべてを外注する場合でも最低一人はスタッフを用意し、外注作業を確認することが重要です。自社スタッフが制作・運用に全く関わらず任せきりにした場合は、社内にノウハウが蓄積されません。
外注業者との契約が切れて自社で運用したり、別の外注業者に依頼したりする場合、メディアの方向性やテイストが変わってしまうことになり、獲得できているリードを失うことにつながる恐れがあります。
立ち上げ段階では外注に任せ、ノウハウを共有しながら少しづつ内製化するのもおすすめです。
内製する
オウンドメディアを内製する場合は、費用を抑えてオウンドメディアを作ることができ、ノウハウを自社で蓄積することができます。自社にメディアの制作・運用経験があるスタッフが要る場合は、内製を検討するのもよいでしょう。
ただし、通常業務と並行してメディアを運用するのは大変な作業です。担当者に十分なスキル・ノウハウがなければ、余計なコストが発生したり、十分な成果が得られなかったりします。
オウンドメディアによっては、担当者が兼務しながら作業を進めることが難しく、実質的に専任しているケースもあります。規模が大きいオウンドメディアの場合だと、チームを組んで数名が担当するケースもあるようです。
また、専門知識のあるスタッフの確保・育成も課題となっています。担当者が別の部署へ異動になったり離職したりした場合に後任を用意できなければ、メディアの運営がストップするかもしれません。長期的な視野で担当者を確保し、内製すべきでしょう。
自社にノウハウがあるスタッフがいない場合は、メディア運用経験のあるスタッフを一定期間だけ採用するか、フリーランスに依頼するのもおすすめです。
一部を外注(内製)
すべてを外注もしくは内製するのではなく、以下のように作業内容を分けて一部だけを外注することも可能です。
・サイトの構築
・コンテンツの追加、修正
・SEO対策
・運用、分析
サイトの構築だけを制作会社に依頼し、コンテンツの追加から運用までを内製するケースやSEO対策だけを外注するケースなどもあります。
作業の一部を担当できるスタッフがいるか、新たに用意できる場合には、能力に応じて一部を自社で作業を行うことができます。確保できる予算に応じて調整するのもよいでしょう。
また、最初のうちは外注に任せて、ベースが出来上がったところで内製に切り替える方法もあります。
オウンドメディアの構築
オウンドメディアの構築では、以下の3つを選定する必要があります。
・CMS
・サーバー
・ドメイン
CMSの選定
オウンドメディアを作るためには、導入するCMSを選定する必要があります。
CMSとは、Webサイトのページの作成や編集、削除などが効率よく行えるように構築された管理システムです。HTMLやCSSといった専門知識がなくても、自社でコンテンツの更新や運用が行えます。
WordPressは、日本においても中小企業から大企業までさまざまな企業が利用しています。オウンドメディアの制作を外注する場合でも、WordPressが利用されるケースもあります。
CMSは、大きく分けると以下の3つに分かれます。
・オープンソース
・商用パッケージ
・フルスクラッチ
オープンソースのCMSとは、プログラム本体のソースコードが一般に公開されているCMSです。ライセンス費用がかからないので、導入コストを抑えられます。オープンソースのCMSで世界で最も利用されているのは、WordPressです。WordPressは、日本においても中小企業から大企業までさまざまな企業が利用しています。オウンドメディアの制作を外注する場合でも、WordPressが利用されるケースもあります。
商用パッケージのCMSは、制作会社が独自に開発したCMSです。利用する際にはライセンス費用がかかります。セキュリティ対策や充実したサポートがメリットです。
フルスクラッチのCMSは、自社専用に開発されたCMSです。オリジナリティが高く、自由にカスタマイズできますが、導入費用が高額、開発に時間がかかる点がデメリットと言えるでしょう。
オウンドメディアを内製する場合は、オープンソースのCMSを利用するか、フルスクラッチのCMSを開発するかになります。コストを抑えて早期運用したい場合はオープンソース、時間とコストをかけてでも独自性を出したい場合はフルスクラッチがおすすめです。
外注する場合は、依頼する会社によって利用するCMSが異なります。どのタイプのCMSを利用するのかを確認し、導入コストを比較したうえで検討することをおすすめします。
商用パッケージ及びフルスクラッチのCMSのデメリットは、コンテンツの追加や運用を外注する場合やCMSの変更・改良する場合のコストが高くなりやすいことです。商用パッケージ及びフルスクラッチのCMSは開発した会社にしか仕組みが分からないため、別の会社では対応が難しくなります。軽微な仕様変更でもCMSを制作した会社に依頼する必要があるため、手間とコストがかかります。
一方、WordPressでオウンドメディアを制作すれば、自社スタッフでもコンテンツの追加や修正、改良を行うことができます。途中から一部の作業を外注することになった場合でも、スムーズに対応してもらえます。
どのCMSを選択するかで、初期費用だけでなく将来的な運用方法まで大きく影響します。CMSの変更は手間と費用がかかるため、慎重に選ぶことをおすすめします。
サーバーの選定
サーバーとは、ネットワーク上でデータやサービス等の情報を格納しておく機器のことです。オウンドメディアを構築するためにサーバーは欠かせません。
サーバーを用意するには、自社に専用サーバーを設置するか、専門業者からサーバーをレンタルするかの2つの方法があります。
自社に専用サーバーを設置する場合は、用途・目的に合わせて機材を選ぶことができるため、自由度が高いです。しかし、以下のようなデメリットもあります。
・初期費用が高額
・設置するスペース、排熱処理が必要
・メンテナンスする専門の担当者が必要
・電気代がかかる
一方、自社でサーバーを所有していない場合は、レンタルサーバーを借りる必要があります。
レンタルサーバーの種類は以下の通りです。
・共用サーバー
・専用サーバー
・VPSサーバー
・クラウドサーバー
共用サーバーは安価に導入できますが、急激なアクセス数の増加には対応できません。サーバーに負荷がかかると、一次的にダウンするかもしれません。
一方、クラウドサーバーは必要に応じてCPUやメモリなどのスペックを柔軟に変更できます。時間ごとに料金が決まるサービスもあります。
オウンドメディアは、企業のコーポレートサイトと比べると急激にアクセス数が増加することがあります。利用目的やデータの規模に合わせて最適なサーバーを選択しましょう。
ドメインの選定
ドメインとは、インターネットに接続している個々のコンピューターを認識するための名称です。オウンドメディアを構築する場合には、独自ドメインかサブドメインを利用します。
独自ドメインとは、WEBサイトの目的や用途などに合わせて自社でオリジナルのドメイン名を採用した世界で一つだけのドメインです。コーポレートサイトがない場合には、独自ドメインを取得するしかありません。
一方、サブドメインは、コーポレートサイトのドメインの内、用途や目的別に分割して利用するために任意で設定するドメインになります。新たにドメインを取得することなく独立したWEBページを作れるため、コストや手間を抑えることが可能です。サブドメインではなく、サブディレクトリでオウンドメディアを構築することもできます。
SEOの観点では、サブドメインで構築するとサブではないメインのドメインのindex数が増えるので、SEO効果があるという見解もあります。独立したドメインとみなされるため、権威性や信頼性、専門性が共有されないという意見もあるようです。
一方、サブディレクトリで構築した場合はメインサイトの評価を引き継ぐため、SEO効果が高くなります。ただし、メインサイトとオウンドメディアのテーマが異なる場合やオウンドメディアの評価が低くなった場合には、メインサイトへ影響する恐れもあります。
オウンドメディアのSEO対策
検索流入でオウンドメディアに集客する場合には、SEO対策を行う必要があります。
オウンドメディアで行うSEO対策は以下の通りです。
・キーワード選定
・検索意図を意識した記事構成
・常時SSL化
・URLの正規化
・レスポンシブデザイン
・サイト構造
・SEOライティング
キーワード選定
オウンドメディアで成果を上げるためには、目的やターゲットに合わせたキーワードを選定する必要があります。
検索ボリュームが大きいキーワードで検索上位表示できれば大量のアクセス数を獲得できますが、ターゲットからずれていればコンバージョン率が低くなります。逆に、検索ボリュームが小さくてもコンバージョンに近いキーワードなら、少ないアクセス数でもコンバージョン率は高いです。
また、目的からずれたキーワードで上位表示できてアクセスを獲得できても、コンバージョンできないケースがあります。
Twitter動画の例
・Twitter動画広告 検索Vol 390
・Twitter動画保存 検索Vol 246,000
※ 検索Volはキーワードプランナーで確認
動画広告の制作・運用する会社であれば、「Twitter動画広告」で検索上位表示することで一定の成果が期待できるでしょう。一方、「Twitter動画広告」よりはるかに検索Volが高い「Twitter動画保存」で上位表示できても、成果は期待できません。Twitterの動画を保存したいと考えるのは一般消費者が多く、動画広告の制作や動画広告の運用を検討している可能性が低いからです。
ターゲットはどのようなキーワードで検索するのか、コンバージョンが取れるのはどのようなキーワードなのかを分析したうえでキーワードを選定しましょう。
検索意図を意識した記事構成
選定したキーワードで検索上位を目指すなら、検索意図を意識した記事構成にする必要があります。検索上位表示されるためには、他の記事より多くの検索意図を満たしていることが重要です。また、検索意図を満たしていることをGoogleに認識してもらうためには、適切な構成になっている必要があります。
常時SSL化
常時SSL化とは、通信が暗号化されていないhttpを暗号化されたhttpsに変更することです。
通信が暗号化されていないhttpでは、WEBサイトとユーザーのやりとりを第三者に盗み聞き、盗み見られる危険性があります。WEBサイトをhttps化(SSL化)することで、重要な情報が暗号化されて保護されます。
業種や規模に問わず常時SSL化は必須の作業となっています。ユーザーに安心してオウンドメディアを利用してもらうために、WEBサイトの信頼性を確保しておきましょう。
URLの正規化
URLの正規化とは、コンテンツが類似するページのURLのうち、Googleに評価して欲しいURLを指定することです。ページの評価を分散させない効果があります。
URLの正規化が必要になるケースは以下の通りです。
・httpsとhttp、wwwあり・なしが併存している
・類似したページが複数ある
・スマホサイトとPCサイトのURLが異なる
・AMPを実装している
レスポンシブデザイン
レスポンシブデザインとは、PCやスマホ、タブレットといった閲覧環境やウェブブラウザなどに合わせて、表示を最適化するデザインです。オウンドメディアは多様な目的・ターゲットで作られるため、閲覧環境に関わらず利用できる必要があります。
サイト構造
サイト構造を最適化することは、SEOにおいて非常に重要な対策のひとつです。ページ数やコンテンツの量が多いオウンドメディアでは、とても重要になります。
サイト構造を最適化する方法は以下の通りです。
・シンプルなディレクトリ構造
・コンテンツを階層やフォルダで分ける
・重要なページは細分化しすぎない
SEOライティング
SEOライティングとは、検索上位表示を前提として文章を書くことです。ユーザーの検索意図を満たしつつ、Googleに評価してもらう必要があります。
SEOライティングで意識するポイントは以下の通りです。
・記事タイトル、見出しにキーワードを入れる
・適切にhタグを使用する
・共起語を盛り込む
・EATを意識する
オウンドメディアの運用と分析
オウンドメディアはサイト構築やコンテンツ追加だけで終わりではありません。
成果を出すためには、継続的な運用と定期的な分析が必要です。
効果測定
オウンドメディアの運用・分析で行う作業は、効果測定です。目的に合わせて指標を設定し、効果が出ているかをチェックします。
効果測定で設定する主な指標は以下の通りです。
・検索順位
・PV数
・セッション数
・ユニークユーザー数
・滞在時間
・直帰率
・CTR
・CV数
・CVR
オウンドメディアの効果測定では、Googleアナリティクス・サーチコンソールがおすすめです。
リライト
リライトとは、メディアの目的が達成出来るように既存のコンテンツを手直しすることです。主に、検索順位を上げることとCVRを上げることがリライトの目的になります。
代表的なリライト方法は以下の通りです。
・検索意図の網羅性を高める
・情報の鮮度を高める
・E-A-Tを高める
・再検索キーワードの活用
・導入文の改善
・タイトル・メタディスクリプションの改善
・読みやすい文章
・読了時間の表示
・ペルソナ設定
・内部リンクの設置
・画像・動画の活用
また、既存記事のすべてをリライトする必要はありません。検索順位やクリック率、記事作成・更新からの日数などを確認したうえで、必要に応じてリライトを行います。
まとめ
オウンドメディアを作るには、立ち上げから運用までさまざまな作業が必要です。自社のスタッフですべてを対応するのは難しいかもしれません。予算に応じて、一部の作業を外注するのもおすすめです。
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