SEO対策 内部リンクとは?SEO効果を高める貼り方のコツ

内部リンクとは、自サイトに設置された、サイト内の他のページへ移動するためのリンクです。この記事では、内部リンクの概要から被リンク(外部リンク)との違い、設置箇所、SEO効果、最適化する貼り方、チェックツールまで詳しく解説します。
内部リンクとは
内部リンクとは、自サイトに設置された、サイト内の他のページへ移動するためのリンクです。
▼ サイト内の以下の箇所に設置され、同サイト内の別のページに移動できるようになります。
- パンくずリスト
- グローバルメニュー
- ヘッダー・フッター・サイドバー
- コンテンツ内の本文
内部リンクとは逆に、外部のサイトに設置された、自サイトへ移動するためのリンクは、被リンクです。被リンクは外部サイトに設置されているため外部リンクと呼ばれることもありますが、内部リンクや被リンクの定義はサイトによって異なるケースがあります。
▼ 当サイトにおける各種リンクの定義は以下の通りです。
内部リンク | 自サイトに設置された、サイト内部のページに移動するリンク |
発リンク・アウトバウンドリンク | 自サイトに設置された、別のページに移動するリンク。 内部リンクも含む。 |
被リンク・外部リンク・インバウンドリンク | 外部サイトに設置された、自サイトに移動するリンク |
内部リンクと外部リンクの違い
内部リンクと被リンクの違いは、リンクが誰のサイトに設置されているかです。
内部リンクは自サイトに設置されます。一方、被リンクが設置されるのは、自サイトではなく外部のサイトです。
どちらもユーザーが自サイトへ移動できる点では同じですが、設置する人が異なります。内部リンクは自サイトを運営している人が自由に設置できますが、被リンクを設置することはできません。
また、リンクが設置されることによるSEO効果にも差があります。SEO効果としては、内部リンクより被リンクの方が効果が高いです。
内部リンクのSEO効果は間接的なものですが、被リンクはサイトの順位を決定する上での評価基準に含まれています。
Googleの検索アルゴリズムは、信頼度の高いWEBサイトや関連性の高いサイトからの被リンクを獲得しているサイトを、ユーザーからの支持率が高いと評価する仕組みです。
200以上あると言われているGoogleアルゴリズムの評価基準の指標の中でも、被リンクが与える影響度は高いと考えられています。
▼ 一方、内部リンクはユーザーに価値を提供するものの、ランキング指標ではないという考え方が一般的です。
【参考資料】
Google: アウトバウンドリンクはランキング要因ではない
内部リンクがSEOに与える効果
クローラーの巡回促進
自サイトに内部リンクを設置することで、クローラーの巡回を促進します。
クローラーとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンがインターネット上の情報を周期的に集め、自動的にデータベース化するプログラムのことです。
クローラーは、サイト・記事に設置されたリンクを辿ってインターネット上を巡回しています。自サイトに設置された内部リンクが多いほど、クローラーはサイト内を巡回しやすくなります。
逆に、全く内部リンクが設置されていない記事は、クローラーがサイトを巡回していても、その記事だけ巡回してもらえないことがあります。
ユーザーの滞在時間増加
サイトに内部リンクを設置することで、ユーザーの滞在時間を増加させることができます。
検索から流入したユーザーの目的は、抱えている疑問や悩みを解決することです。サイトを見て疑問や悩みが解消されれば、そのままサイトから離脱してしまうかもしれません。
しかし、サイトに設置した内部リンクで他のページを紹介すれば、興味を持ったユーザーがページを見てくれるかもしれません。
滞在時間はランキング要素ではないため検索順位に直接影響を与えるわけではありませんが、直帰率と低下し、滞在時間が長くなることで間接的な影響を与える可能性はあります。
ユーザーの満足度・利便性向上
ユーザーの満足度や利便性を高めることは、SEO対策としても有効な施策です。
Googleはユーザーエクスペリエンスも重視しているため、内部リンクを設置することで滞在時間が長くなったり、複数のページが閲覧されたりすれば、高い評価が得られるかもしれません。
SEOに効果的な内部リンクの貼り方
分かりやすいアンカーテキスト

サイトのテキストに内部リンクを設置する場合には、リンク先のページの内容が分かるアンカーテキストを使用することが重要です。
「こちらへ」というようなテキストではなく、リンク先ページの重要なキーワードを含めた「分かりやすいアンカーテキスト」を記載するようにしましょう。
▼「SEOとは」というキーワードを意識して内部リンクを設置する場合の例

ただし、内部リンクのアンカーテキストに無理やりキーワードを詰め込んでしまうと、Googleからスパム行為と判断されてしまう恐れがあります。
クローラーが巡回しやすい構造
検索エンジンのクローラーは、ページに貼られたリンクを辿ってサイト内を巡回しています。ページに内部リンクが全く貼られていないと、クローラーから発見されるのが遅れてしまうかもしれません。
「グローバルナビゲーション」を設定しクローラーが巡回しやすい構造を作ることができれば、検索エンジンにWEBサイトの内容を正しく認識されやすくなります。
質の高い関連するコンテンツを増やす
内部リンクのSEO効果を高めるには、関連性の高いコンテンツを充足して、良質な内部リンクを増やすことが重要です。
WEBサイト内のページ同士を意味もなく内部リンクでつなげても、思ったような効果は期待できません。逆に、検索エンジンからマイナスな評価を受けてしまう可能性があります。
情報量が多く内容が濃いコンテンツを増やすことで、あらゆる検索キーワードからの自然流入が期待できます。また、関連性の高いコンテンツであれば効果的に内部リンクを増やすことができます。
検索エンジンから評価されやすい内部リンクは、リンク先のコンテンツとの関連性が高いことが重視されています。そのため、より質の高い内部リンクを増やすためにも、WEBサイト内に「質の高い関連するコンテンツを増やす」ことが大切です。
例えば、すでにあるコンテンツと関連するキーワードを探してテーマを決め、関連性を意識した良質なコンテンツを作ることができれば、自然とSEO対策に有効な内部リンクを増やすことができます。
重要なページに内部リンクを集中させる
検索エンジンのクローラーは、ページに貼られたリンクを辿ってサイト内を巡回し、各ページの質をリンクの集中度を見ながらページを評価しています。
関連性のあるページから内部リンクを集中して集めているページは、クローラーが重要度の高いページであると認識します。
ページ同士を内部リンクでつなげる際に重要になる要素として、「リンクジュース」があります。リンクジュースとは、リンク先のWEBページに与えられるSEO効果です。内部リンクを集中させることでリンクジュースが多くなれば、検索エンジンからの評価は高まる傾向にあります。
重要なページに内部リンクを集中させ、リンクジュースを増加させる手法として、トピッククラスターモデルがあります。
トピッククラスターモデルとは、コンテンツをトピッククラスターにまとめて整理する手法です。キーワードの検索ボリュームが大きい場合や、競合するサイトのドメインパワーが強い場合でも、上位表示できる可能性が高くなります。

トピッククラスターは、検索ボリュームが大きいキーワードで上位表示を狙う「ピラーコンテンツ」と、ロングテールキーワードで上位表示を狙う「クラスターコンテンツ」で構成されます。
それぞれのページを内部リンクでつなげることにより、上位表示しやすい「クラスターコンテンツ」の評価を「ピラーコンテンツ」へ受け渡す仕組みです。
内部リンクを設置する際の注意点
サイトコンテンツに内部リンクを貼る際には、下記の4つのポイントに注意しましょう。
- URLを正規化する
- 意味のない内部リンクは設置しない
- 画像のリンクにalt属性を設定する
- リンク切れを確認する
URLを正規化する
サイトコンテンツに内部リンクを貼る際には、URLが正規化されているかを確認しましょう。
URLの正規化とは、検索エンジンに対して正規のページとして評価してもらいたいURLはどれなのかを伝えることです。
下記のURLように、内容が全く同じで異なるURLが存在している場合、検索エンジンは別コンテンツと認識してしまいます。
https://www.〇〇〇.com/
http://www.〇〇〇.com/ ※「s」が付いていない
URL正規化を行わなければ、コンテンツの評価が分散してしまい正しい評価が得られません。
意味のない内部リンクは設置しない
内部リンクの数を増やそうとしてページの内容とは関係のない内部リンクを大量に設置すると、Googleから質の低いリンクとみなされる恐れがあります。
ページのなかで使用されているキーワード全てに対してアンカーテキストのみの内部リンクを設置しても、ページを閲覧するユーザーの利便性が高くなるわけではありません。別のページへ無理に誘導している印象を与え、不信感を持たれるでしょう。
関連性が低いページへ内部リンクを貼る必要がある場合は、内部リンクに「nofollow」を設定します。
nofollowとは、リンク先として貼ったページのリンクを検索エンジンに辿らせないようにするリンク設定です。
aタグに「rel=”nofollow”」という記述をすることで、リンク先のWEBサイトにページ評価が受け渡らないように設定でき、マイナス評価を受けにくくなります。
画像のリンクにalt属性を設定する
画像に内部リンクを設置する場合は、alt属性も設定しましょう。
alt属性とは、画像の意味を説明するテキスト情報です。
▼ 画像にalt属性を設定することで以下のようなメリットが期待できます。
- 画像が表示されないときに代わりにテキストを表示させる
- 視覚障害者に対して適切な情報を提供する
- 画像検索で表示される
- アンカーテキストの代わりになる
また、alt属性は検索エンジンのクローラーに画像の意味・内容を適切に伝えるため、SEO対策上の効果も見込めます。
リンク切れに注意する
リンク切れとは、リンク先のWEBページが閲覧できない状態です。
内部リンク設定時のURLスペルミスや内部リンク先のページ削除、URL(パーマリンク)変更によって、リンク切れが発生します。
Googleは、「リンク切れによる直接的な検索順位の下落はない」としています。しかし、WEBサイト内のリンク切れを長期間放置したままでいると、ユーザーの利便性が低下するだけでなく、情報の鮮度・信頼性に疑問を抱かれるかもしれません。
リンク切れが発生しているかは、GoogleサーチコンソールやWordPress(ワードプレス)のプラグインで確認できます。
内部リンクの確認方法
内部リンクの確認・チェックができるおすすめのツールは以下の3つです。
- Googleサーチコンソール
- screaming frog
- ahrefs
サーチコンソールから確認する方法
【Googleサーチコンソールを使って内部リンクを確認する手順】
- 「Googleサーチコンソール」にログイン
- ダッシュボード内の【リンク】をクリック
- 内部リンクの「上位のリンクされているページ」に表示されているURLをクリック
- 【このページにリンクしている内部ページ】から詳細を確認する
通常は、内部リンクが集まりやすいトップページやカテゴリーメニューなどのページが上位に表示されます。その反対に、WEBサイトの中でそれほど重要でないページがリストの上位に含まれていたり、ページを削除したにもかかわらず404エラーのままにしていたりすると、無効なページが多く発生してしまうことになるため注意が必要です。
尚、ここで表示されたリンクのデータはダウンロードすることも可能です。
screaming frogを使って確認する方法
「Screaming Frog SEO Spider Tool」は、無料で利用できるSEOツールです。サイトからツールをダウンロード・インストールすれば、競合サイトの内部リンクチェック、Title、metaタグ、見出しタグ、重複コンテンツの検出、XMLサイトマップの生成など、SEO対策に欠かせない様々な情報が得られます。
【screaming frogを使って内部リンクを確認する手順】
- 「Screaming Frog SEO Spider Tool」にアクセス
- ツールをダウンロード・インストール
- URLを入力
- 下部にある「inlinks」タブをクリック
ahrefsを使って確認する方法
「ahrefs」は、世界中で60万人が導入しているSEOツールです。シンガポールに本社があるahrefs社がツールの開発・提供を行っていますが、日本語に対応しています。被リンク分析ツールとして有名なツールでしたが、検索ボリューム調査や競合調査などSEO対策に役立つさまざまな機能が利用できます。
【ahrefsを使って内部リンクを確認する手順】
- 「ahrefs」にアクセス
- メニューから内部被リンクをクリック
で各ページに対してどのページから内部リンクが集まっているか確認することができます。重要なページに内部リンクが集まっているか一目でわかるため便利な機能となります。
内部リンクの設置場所
内部リンク構造を最適化する設置箇所は以下の通りです。
- グローバルナビゲーション
- サイドバー・フッター
- パンくずリスト
- 記事コンテンツ
- HTMLサイトマップ
グローバルナビゲーション

グローバルナビゲーションとは、会社概要やサービス内容、料金、よくある質問、お問い合わせなどの主要ページへ貼られた内部リンクです。
主要ページへの内部リンクを設置することで、ユーザーはサイト全体の構造、主要コンテンツを確認することができ、検索エンジンに対して重要なページであることが伝わりやすくなります。
サイドバー・フッター

WEBサイト内のサイトバーやフッターにユーザーに読んでほしいコンテンツへの内部リンクを設置したり、流入を増やしたいページへの内部リンクを設置したりすることで、ユーザーの回遊性を高めることができます。
パンくずリスト

パンくずリストとは、ページを閲覧しているユーザーがWEBサイト全体のどの階層や位置にいるのかを視覚的に把握できる内部リンクです。
検索エンジンで検索結果からサイトを訪問するユーザーが、すべてトップページに流入するとは限りません。パンくずリストが設置されていれば、下層ページから流入しているユーザーがトップページをすぐに見つけることができますし、他のページに素早く移動できるようになります。
また、パンくずリストは検索エンジンのクローラーに対してもサイトの階層構造を正しく伝えることができ、効率良く巡回してもらうためにも有効です。
記事コンテンツ
記事コンテンツには、記事の内容を補足する記事へ内部リンクを設置します。
ひとつの記事ですべての情報を伝えることは困難です。文字数が多くなりすぎたり、記事の本筋からそれてしまったりします。補足的な内容に関しては、記事中で簡単に説明し、詳細が書かれた別の記事へ内部リンクを設置するようにしましょう。
前提情報を知っている人は余計な説明を読まなくて済み、分からない人は内部リンク先の記事を読むことで疑問が解消されます。
HTMLサイトマップ
HTMLサイトマップとは、訪問したユーザーが目的のコンテンツを見つけやすいように、ページをリスト化などで整理して表示させたページです。
主要なコンテンツへ移動できる内部リンクを設置することで、サイトを訪れたユーザーにサイト全体の構造をわかりやすく伝えることができます。
まとめ
内部リンクは、サイト内のコンテンツ同士をつなぎ、ユーザーやクローラーがサイト内の他のページへ自由に移動するためのリンクです。
サイトを訪れたユーザーにサイト内のコンテンツをわかりやすく提示することで、ユーザーの利便性や回遊性を高めることができます。
内部リンクを最適化することで、Googleからサイトやコンテンツが高く評価されるようになるでしょう。