ロングテールキーワードとは|SEO効果が高い選び方と役立つツールを解説
ロングテールキーワードは、比較的検索ボリュームが少なく上位表示がしやすいため、SEO対策を始めたばかりのメディアでもコンバージョン効果を発揮できます。この記事では、ロングテールキーワードとは何か、使用するメリット・デメリットやSEOに効果的な選定方法について解説し、調べる際に役立つツールも併せてご紹介していきます。
ロングテールキーワードとは
ロングテールキーワードとは、主に3語以上の複数の単語で構成されたキーワードのことです。
月間検索ボリュームが1,000回未満と少ない場合が多く、ニッチな内容であることが特徴です。その為「スモールキーワード」や「ニッチキーワード」と呼ばれることもあります。
ロングテールキーワードは、ビッグキーワードより検索ボリュームは低くなりますが、ユーザーの検索意図が明確でコンバージョンに近いのが特徴です。音声検索を使用した際にもヒットしやすい傾向があります。
ロングテールキーワード以外のキーワード
キーワードには、ロングテールキーワード以外に「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」があります。
ビッグキーワード
ビッグキーワードとは、Googleなどの検索エンジンでの検索ボリュームの目安が月間1万回以上となるキーワードで、多くのユーザーが検索するキーワードのことを指します。
ビッグキーワードは、1つの単語を設定するケースが多いですが、2語以上で構成するキーワードであっても、検索ボリュームが大きければビッグキーワードに該当します。
「整体」(月間検索ボリューム:246,000)
「骨盤矯正」(月間検索ボリューム:74,000)
ミドルキーワード
ミドルキーワードは、検索ボリュームの目安が月間1,000〜1万未満となるキーワードです。主に、キーワードを組み合わせて2語で構成されるケースが多いです。
「整体 渋谷」(検索ボリューム:1,600)
「骨盤矯正 整体」(検索ボリューム:3,600)
ロングテールキーワードの例
ミドルキーワードの「整体 渋谷」をもとに、関連するキーワードの検索意図を考えた上でロングテールキーワードの設定例を紹介します。
ロングテールキーワード | 月間検索ボリューム | 検索意図 |
---|---|---|
整体 渋谷 おすすめ | 90 | 渋谷でおすすめの整体を知りたい |
整体 渋谷 保険適用 | 70 | 渋谷で保険適用が可能な整体を知りたい |
整体 渋谷 安い | 40 | 渋谷の安い整体を知りたい |
整体 渋谷 肩こり | 30 | 渋谷で肩こりを治療できる整体を知りた |
整体 渋谷 夜 | 10 | 渋谷で夜遅くまでやっている整体を知りたい |
ロングテールキーワードは、ミドルキーワードである「整体 渋谷」よりも、より具体的でユーザーの検索意図を明確にしたキーワードになります。
ロングテールキーワードが重要な理由
ロングテールキーワードは、検索ボリュームが1,000未満のキーワードであるにもかかわらず、なぜ重要なのか。米国のSEO分析ツールAhrefsが行った調査結果を元に詳しく解説していきます。
約9割のユーザーが3単語以上で検索
下記の図は、Ahrefsが調査したデータで、ユーザーがキーワードを検索する際に使用する単語の数の割合を表しています。
1~2単語で検索している割合が「13.6%」なのに対して、3語以上で検索する割合はおよそ「86.4%」という結果が出ています。この事から、ビッグキーワードやミドルキーワードに該当する1~2語のキーワードよりも、3語以上に設定するロングテールキーワードの方がより重要であることが分かります。
検索の98%以上が月間検索ボリューム200回未満のキーワード
また次の図は、検索キーワードの月間検索ボリュームの割合を表したグラフです。
検索ボリュームが200回未満のキーワードが「約98%」以上を占めています。ミドルキーワードやビッグキーワードに分類される検索ボリュームが5,000回以上のキーワードはわずか0.36%になります。
検索ユーザーは検索ボリュームが多いキーワードよりも、検索ボリュームが少ないキーワードを日常的に使用して検索をしていることが分かります。
ロングテールキーワードを使用するメリット
▼ ロングテールキーワードを使用する6つのメリットを解説します。
- 競合が少なく上位表示しやすい
- コンバージョン率が高い
- ターゲットを絞りやすい
- 音声検索の最適化に役立つ
- ターゲットにあわせたページが作成しやすい
- 低コストでPPC広告を出せる
競合が少なく上位表示しやすい
前述したとおり、ロングテールキーワードは比較的検索ボリューム数が少ないため、対策している競合サイトも少ない傾向にあります。そのため、ビッグキーワードを使用するよりも競争率が下がり、上位表示が狙いやすくなります。
例えば、キーワードが「整体」であれば、検索ボリュームは「24万」を超えるビッグキーワードになります。検索ボリュームが多いほど、上位表示されれば流入数も期待できるので、多くのサイトは率先して対策をするでしょう。しかし、競合サイトが多いため、上位表示させること自体が難しくなります。
一方、「渋谷 整体 おすすめ」の場合は、検索ボリュームが「90」です。検索ボリュームが少ない分、対策しているサイトも減るので上位表示が狙いやすくなります。
このように、ロングテールキーワードを使用したページを作成することで効果的なSEO戦略に繋がると言えるでしょう。
コンバージョン率が高い
ロングテールキーワードの2つ目のメリットは、コンバージョン率が高いことです。
例えば、「整体」はビッグキーワードにあたりますが、「整体」で検索する人の中には、整体の施術内容を知りたい人もいれば、具体的な効果について知りたい人、整体の場所を探している人など、異なる検索意図が含まれている可能性があります。そのため、ビッグキーワードはユーザーの検索意図を明確にしづらく、コンバージョンに繋がりにくいと言えます。
反対に、キーワードが「整体 渋谷 肩こり 保険適用」の場合は、渋谷で肩こりに効く整体で、保険が適用される場所を探している人、といった具体的なニーズであることが分かります。
ロングテールキーワードは、ユーザーの悩みや目的が把握しやすいため、検索意図にあわせたページを作成しやすくなります。また、検索意図が明確であるということは、目的に対してアクションを起こす意欲的なユーザーが多いので、コンバージョン率が高まります。
悩みや目的に対する重要度が高ければ高いほど、意欲も高い傾向にあるため、コンバージョンへ繋げやすい状況となるでしょう。
ターゲットを絞りやすい
ロングテールキーワードはユーザーの検索意図が掴みやすいため、作成するページに対してターゲットを絞りやすいメリットもあります。
前述したコンバージョン率に繋がる部分でもありますが、例えばキーワードが「動画編集アプリ iPhone」の場合は、「動画編集をしたい、且つiPhone用のアプリを探している」という検索意図が分かります。さらに検索結果には、「iPhoneで使える動画編集アプリを紹介するページ」がヒットするでしょう。
このことから、「動画編集アプリ iPhone」というキーワードはターゲットを絞りやすく、ユーザーにとって満足度が高い記事が作りやすいです。
一方、「動画編集アプリ」の場合は、「動画編集アプリの使い方が知りたい」「android用の動画編集アプリを探している」「初心者向けの動画編集アプリのおすすめは?」など様々な検索意図が考えられるため、検索結果にも様々なページがヒットします。
このようなキーワードの場合は、ターゲットが絞りにくく作成するべきページが明確になりづらいと言えるでしょう。
音声検索の最適化に役立つ
ロングテールキーワードは、スマートフォンやスマートスピーカーなどの音声検索においても効果的です。
音声検索では、「渋谷で安い整体を教えて」「女性におすすめの整体はどこ?」のように、話し言葉や文章のようなキーワードになるため、単語単位での検索は少なくなります。
ロングテールキーワードは、複数のキーワードで構成されるため、話し言葉や文章のような表現に関連付けしやすくなるのです。
自然な流れで質問をしているユーザーの背景にある意図を理解し、適切なロングテールキーワードを使用することで音声検索最適化に繋がり、自社サービスのコンバージョン率アップに繋がる可能性もあります。
また、音声検索は急速に伸びているため、今後は音声認識の技術の向上とともにより活用されると考えられます。音声検索が浸透することで利用するユーザーも増えていくでしょう。ロングテールキーワードを使った対策もさらに重要になっていきます。
ターゲットにあわせたページが作成しやすい
ロングテールキーワードは、ビッグキーワードやミドルキーワードと比べて、検索意図が明確なため、ニーズが細分化されています。ニーズが細分化されているので、ターゲットにあわせたページが作成しやすくなります。
▼ 以下の例で解説します。
ビッグキーワード | 「整体」 | さまざまな検索意図が考えられる |
ミドルキーワード | 「整体 女性」 | 1語よりは検索意図が明確になる |
ロングテールキーワード | 「整体 女性 渋谷 おすすめ」 | 検索意図が明確になる |
「整体」のみでは検索意図にさまざまな要素が含まれるため、狙うべきテーマが定まりにくいです。2語になると、1語での検索よりは明確になります。4語になれば、狙うべきテーマがはっきりします。
また、ロングテールキーワードの場合、
- 「整体 男性 渋谷 おすすめ」
- 「整体 産後 渋谷 おすすめ」
- 「整体 肩こり 渋谷 おすすめ」
など、「整体」に関連した複合キーワードの記事が量産しやすくなります。
さらに、テーマを統一しながら量産した記事を内部リンクで繋ぐことで、細かな流入を集めるだけでなくサイト全体の専門性向上や評価に繋げることもできます。
低コストでPPC広告を出せる
ロングテールキーワードは、PPC広告においてもメリットがあります。
PPC広告とは、「Pay Per Click」のことで、表示された広告が1回クリックされるごとに料金が確定する仕組みです。検索ボリュームが大きいビッグキーワードの場合は、競合サイトも多いため広告表示のクリック単価の相場が高騰する傾向にあります。
一方、ロングテールキーワードの場合は、検索ボリュームが少ない傾向にあるためクリック単価を抑えてPPC広告が出せるので低コストでの広告出稿が可能です。広告を出したがコンバージョンに繋がらなかった場合でも、費用の影響を最小限に抑えることができます。
ただし、PPC広告でロングテールキーワードを使うときには注意する点があります。
1つ目は、検索ボリュームを確認することです。あまりにも検索ボリュームが少ない場合は、キーワードに需要がないため、広告自体を表示させることができません。月間ボリュームが数十~数百あるキーワードを選ぶのがおすすめです。
2つ目は、ロングテールキーワードは検索ボリューム自体が少ないため、はじめは出来る限り多くのキーワードを登録しましょう。費用などの成果を確認しながら、キーワードの精査をしていく方法がおすすめです。
ロングテールキーワードを使用するデメリット
▼ ロングテールキーワードを使用する場合は、下記のデメリットも理解しておかなければなりません。
- アクセス数が少ない
- 検索意図が類似しやすく重複記事の発生に繋がる
- 記事のメンテナンスに手間が掛かる
アクセス数が少ない
ロングテールキーワードのデメリットは、検索ボリュームが少ない傾向にあるため、1記事に対するアクセス数が少ないことです。
検索ボリュームが少ないということは、ニッチな内容であり検索するユーザーが限られているということです。例え上位表示されたとしても、アクセス数が莫大に増えることは考えにくいでしょう。
1記事に対するアクセス数が期待できないため、関連するページを増やして流入数や回遊率を増やしていくことが重要になります。
また、以下の表のように、検索ボリュームが「1,000」のキーワードで検索1位になった場合のアクセス数より、検索ボリュームが「50,000」の記事で検索10位になる方がアクセス数がはるかに大きいです。さらに、順位を1つ上げた場合のアクセス数の効果も、検索ボリュームが大きい方が効果的になります。
【検索順位とクリック率・アクセス数の目安】
検索順位 | クリック率 | 検索ボリューム 1,000のアクセス数 | 検索ボリューム 50,000のアクセス数 |
---|---|---|---|
1位 | 28.5% | 285 | 14,250 |
2位 | 15.7% | 157 | 7,850 |
3位 | 11.0% | 110 | 5,500 |
4位 | 8.0% | 80 | 4,000 |
5位 | 7.2% | 72 | 3,600 |
6位 | 5.1% | 51 | 2,550 |
7位 | 4.0% | 40 | 2,000 |
8位 | 3.2% | 32 | 1,600 |
9位 | 2.8% | 28 | 1,400 |
10位 | 2.5% | 25 | 1,250 |
検索意図が類似しやすく重複記事の発生に繋がる
重複記事が発生しやすいことも、ロングテールキーワードのデメリットです。
例えばキーワードが、「動画 編集 費用」と「動画 編集 料金」であれば、検索意図はほぼ同じです。それぞれの検索意図に対する記事を作成しても、似たような内容になるでしょう。
記事の内容が重複していると、ユーザーはどちらの記事を参考にして良いか分かりません。万が一内容に異なる部分があれば、サイトに対する信頼を失うかもしれません。
また、カニバリゼーションが発生することで、SEOの評価が分散するため検索エンジンから正しく評価してもらうことができなくなります。結果、意図しないページが上位表示されたり、類似ページの両方が表示されない可能性もあります。
ロングテールキーワードを選定する際には、「費用」と「料金」のような同じ意味合いの言葉は、1つにまとめるなどの対策をしましょう。
記事のメンテナンスに手間が掛かる
ロングテールSEOのデメリットは、メンテナンスに手間とコストが掛かることです。
ビッグキーワードなら1つのコンテンツで大量のアクセスを得られますが、ロングテールキーワードでアクセス数を稼ぐためにはコンテンツを大量に作る必要があります。コンテンツ数が多ければメンテナンスや分析に掛かる手間とコストも増えるため、記事の管理がより複雑になるでしょう。
検索上位を維持するためには、コンテンツの定期的なメンテナンスは欠かせません。最初は検索上位表示できていたのに、半年後には順位が大幅に下がっていることも十分考えられます。
ロングテールキーワードを使用するのであれば、コンテンツの管理をおろそかにせずメンテナンスの必要性も考慮しておきましょう。
SEOに効果的なロングテールキーワードの選び方
ロングテールキーワードのバリエーションは無数に存在します。
ここでは、SEOに効果的なロングテールキーワードの選び方について解説します。
- メインとなるキーワードを決める
- ツールを使いビッグキーワードを広げる
- 検索されているロングテールキーワードを選ぶ
- ロングテールキーワードを分類する(検索意図を考える)
- 競合性を確認する
① メインとなるキーワードを決める
ロングテールキーワードを決める上でまずは、軸となるビッグキーワードを決めます。軸となるビッグキーワードを決めた上で、関連するロングテールキーワードを選んでいくことで、関連するページが増やしやすくなります。
結果、Googleから特定の内容に関する専門性や情報量が多いサイトであるという評価に繋がるのです。
例えば、弊社のようなSEOやMEO対策を扱っている企業の場合、ビッグキーワードは「MEO」「SEO対策」「コンテンツSEO」などがあげられます。ビッグキーワードは、サイトのテーマに関連度が高い、検索ボリュームの多いキーワードから選定しましょう。
② ツールを使いビッグキーワードを広げる
ビッグキーワードが決まれば、軸となるビッグキーワードに関連するキーワードを「ロングテールキーワード」として広げていきます。
▼ 関連するキーワードは、以下のツールを使うと選定しやすいです。
- ラッコキーワード
- Googleサジェストキーワード
- Google関連キーワード(他のキーワード)
ここでは、ビッグキーワードが「MEO対策」の場合の広げ方をラッコキーワードを使って紹介します。
- 検索窓に「MEO対策」を入力し検索にかけます。
- 結果に関連するキーワードが一覧で表示されます。
複数の単語で検索されている関連キーワードが確認できます。
③ 検索されているロングテールキーワードを選ぶ
ロングテールキーワードは実際に検索されている需要のあるものを選ぶことが重要です。なぜなら、検索ボリュームが0=ユーザーに検索されていない(需要のない)キーワードだからです。
また、そもそもロングテールキーワードはニッチで検索ボリューム自体が少ないため、少しでもボリュームが大きいキーワードを選定するようにしましょう。
ビッグキーワードから広げた、関連するキーワード全ての検索ボリュームを確認していきます。Googleキーワードプランナーの「検索ボリュームと予測のデータを確認する」を使えば簡単に検索ボリュームが確認できます。
※ 確認する際には、②のラッコキーワードで抽出した結果の表示の右上にある「全キーワードをコピー(重複除去)」をクリックすると、キーワードが全コピーされます。コピーしたデータをGoogleキーワードプランナーに貼り付けることで簡単にデータが確認できます。
例えば、メインキーワードが「MEO対策」の場合、関連するキーワードは、
- 「MEO対策(ボリューム:8,100)」
- 「MEO対策 自分で(ボリューム:720)」
- 「MEO対策 費用(ボリューム:320)」
などがあります。ロングテールキーワードには、1,000未満のボリュームゾーンを選んでいくと良いでしょう。
さらに、キーワードを見ていくと「MEO対策 費用(ボリューム:320)」と「MEO対策 相場(ボリューム:110)」があることが分かります。この場合、検索意図は同じであるため、前者のボリュームが大きい方をロングテールキーワードとして設定すると良いでしょう。
④ ロングテールキーワードを分類する(検索意図を考える)
次に、ロングテールキーワードを分類していきます。
ディレクトリ構造を使って分類していくと、分かりやすいです。
1つのトピックに対して、1つのキーワード設定が基本となります。ビッグキーワードを最上層、ミドルキーワードを中間層、ロングテールキーワードを最下層に当てはめると良いでしょう。
またユーザーの検索意図を考えて、分類・精査することも大切です。例えば、ロングテールキーワードが「MEO対策 費用」「MEO対策 料金」であれば、ユーザーの検索意図は同じであり、検索結果もほとんど変わりません。この場合は、キーワードを統一したほうが良いでしょう。
反対に、「MEO対策 費用」と「MEO対策 費用対効果」であれば、ユーザーは費用自体知りたいという目的と、MEO対策に費用対効果はあるのか?という目的になります。同じ単語を使っていても、ユーザーの検索意図が異なるため、別のロングテールキーワードとして設定します。
トピッククラスターを導入することでより効果的なSEO対策に繋がる
ロングテールキーワードを分類する際には、トピッククラスターを導入することで、より効果的なSEOに繋がります。トピッククラスターとは、サイト内に点在する記事やページをテーマ毎に分類し、テーマ分けしたページ全体で検索の上位表示を狙う戦略です。
トピッククラスターは、ピラーページとクラスターページから構成されています。トピッククラスターを導入することで、上位表示ができたクラスターページから、テーマをまとめたピラーページにユーザーを流入させ、コンバージョンへ繋がるページへの導線を作ることができます。
ロングテールキーワードとトピッククラスターを掛け合わせる戦略は、小規模なサイトのSEO戦略にも適しており、トピッククラスターのコンテンツをしっかり作り込むことで、小規模なサイトでも上位表示が狙えるようになります。
トピッククラスターについて、別記事で詳しく解説しているので興味のある方は以下ページをご確認ください。
⑤ 競合性を確認する
ここまでの流れで候補にしたロングテールキーワードを、実際に検索にかけて競合性を確認しましょう。
検索にかけたロングテールキーワードに対する上位サイトを見ることで、新たなコンテンツを作成するべきかの判断がしやすくなります。上位に大手企業の公式サイトや、ドメインが強い公的機関が運営するサイトなどが占めている場合は、いくらニッチなロングテールキーワードといえど、上位表示することは難しいでしょう。
また、競合サイトのコンテンツ内容を確認することで、競合サイトが対策できていないキーワードや足りないコンテンツ内容を発見できる場合もあります。
コンテンツを1から作成するには、時間や手間、コストがかかります。あらかじめ競合サイトを確認することで、無駄なコンテンツの作成をせずに済むことにも繋がります。
ロングテールキーワードを戦略的に使うポイント
ここまでの流れで、最終的に対策をおこなうロングテールキーワードが決定しましたが、この項目ではコンテンツ作成時に重要なポイントを紹介します。ロングテールキーワードは、タイトルの先頭に配置するようにしましょう。見出しやナビゲーションにもキーワードを含めるようにします。
適切なロングテールキーワードを選んだとしても、戦略的にキーワードを反映させなければ効果は薄くなってしまいます。また、ロングテールキーワードは3語以上と長い場合が多いので、適切な箇所へ反映させにくい場合もあるでしょう。
読者が読みやすいように自然な形でキーワードを使用することを意識し、無理に反映させないことがポイントです。
ロングテールキーワードを戦略的に配置することで、検索エンジンからの評価にも繋がることが期待できます。
ロングテールキーワードの見つけ方
ロングテールキーワードの調べ方は以下の2つです。
- サジェストキーワードを参考にする
- ツールを使用する
サジェストキーワードを参考にする
ビッグキーワードを検索窓に入力すると、ミドルワードがサジェストキーワードと関連キーワードに表示されます。キーワードによってはロングテールキーワードが含まれることもあるようです。
表示されたミドルキーワードをさらに検索することで、サジェストキーワードと関連キーワードにロングテールキーワードが表示されます。
上記作業を何度も繰り返すことで、ロングテールキーワードが見つけられます。
ただし、上記のやり方では検索する手間がかかり、表示されるキーワードが8個もしくは10個と少ないです。見つけたロングテールキーワードを一つ一つファイルなどに記入する作業も必要になります。また、ロングテールキーワードの検索ボリュームまでは分かりません。
ツールを使用する
ロングテールキーワードは、ツールを利用することでも見つけられます。
おすすめのツールは以下の通りです。
・ Googleトレンド
・ Googleキーワードプランナー
・ Googleサーチコンソール
・ Ahrefs
・ Ubersuggest
・ ラッコキーワード
ロングテールキーワードの上位に当たるビッグキーワードやミドルキーワードで記事をすでに書いている場合は、Googleサーチコンソールを使ってロングテールキーワードを調べることをおすすめします。
Googleサーチコンソールに記事URLを入力し、クエリタブをクリックすれば、実際に検索ユーザーが使用したロングテールキーワードを調べられます。掲載順位が11以下のキーワードをピックアップして、対策すべきかどうかをチェックしましょう。
AhrefsやUbersuggestなどのツールでロングテールキーワードを調べる手順は、前述した手順と同様です。ツールにビッグキーワードを入力し関連キーワードを取得、さらに関連キーワードをツールに入力してロングテールキーワードをピックアップします。
ツールを使用してロングテールキーワードを調べる時のポイントは、ビッグキーワードから関連キーワードを取得しただけで終わらないことです。
ビッグキーワードからだけでもロングテールキーワードは調べられますが、すべてではありません。手間がかかりますが、ミドルキーワードからも関連キーワードを取得することで、より多くのロングテールキーワードが見つかります。
ロングテールキーワードを調べるのに役立つツール
ロングテールキーワードの調査と選定に役立つ、おすすめのツールを8つご紹介します。
様々なツールを活用することで、幅広くキーワードの調査ができます。ぜひ活用してみてください。
- ラッコキーワード
- キーワードプランナー
- Google検索
- Ubersuggest
- ahrefs
- Keyword Tool
- Googleサーチコンソール
- ruri-co(ルリコ)
種類 | 概要 | おすすめツール |
---|---|---|
キーワード選定 | サジェストキーワードを取得できる | ラッコキーワード |
関連するキーワードを調べられる | Google 検索 ・Googleサジェストキーワード ・Google関連キーワード(他のキーワード) ・Googleキーワードプランナー | |
キーワード分析 | キーワードの検索ボリュームなど、キーワードに関する情報を調べられる | Googleキーワードプランナー Keyword Tool Ubersuggest |
競合サイトのキーワード調査 | 競合サイトの流入キーワードを調査できる | ahrefs |
競合サイトでタイトルに使われているキーワードの利用率を調査できる | ruri-co(ルリコ) | |
自社サイトのキーワード調査 | どのキーワードでアクセスがあったかを調査できる | Googleサーチコンソール |
【おすすめツール】ラッコキーワード
ラッコキーワードは、キーワードに適したサジェストキーワードを調べられるツールです。サジェストキーワードとは検索候補となるキーワードのことで、検索する際にキーワードを入力すると関連した複数のキーワードが表示され、ユーザーに提案してくれる便利な機能です。
ラッコキーワードは、ロングテールキーワードの候補を出すのに役立ちます。ラッコキーワードでキーワードを検索すると、サジェストキーワードの一覧が表示され、さらに細分化されたサジェストキーワードまで表示されます。
50音順やアルファベット順に並び、カテゴリー分けもされているので明瞭です。ロングテールキーワードを検討する時にヒントになってくれるでしょう。
サジェストキーワードのリサーチまでは無料で利用でき、有料機能を使うと検索ボリュームの取得や競合分析まで行えるようになります。
【おすすめツール】Googleキーワードプランナー
キーワードプランナーは検索ボリュームを把握できるツールで、どのキーワードが狙いやすいのか判断できるためおすすめです。Google広告の運用を目的としているツールですが、SEO対策を目的としても使用できるツールです。
主に「検索ボリュームと予測データの確認をする」と「新しいキーワードを見つける」の2項目に分かれており、前者は特定のキーワードの検索ボリュームが調べられ、後者は特定のキーワードに関する関連性の高いキーワードの調査が可能です。
どちらも検索ボリュームの確認が合わせてできるので、活用すると良いでしょう。
導入方法は、Googleアカウントの作成と、Google広告に必要な情報の入力です。Google広告が不要な場合には、Google広告をキャンセルすれば無料でキーワードプランナーを利用できます。
ただし、無料でキーワードプランナーを利用する場合には、検索ボリュームの詳細な数値を把握できない点に注意が必要です。検索ボリュームの表示には、「1000〜1万」「1万〜10万」といったように大枠でしか表示されません。
Google検索
Googleで検索する際に、キーワードを入力するとサジェストキーワードがいくつか表示されます。さらにキーワードを入力するとより細分化されたサジェストキーワードが新たに表示されます。
また、検索ページの下部には、関連キーワードとして、「関連性の高い検索」の表示がされます。こちらも参考にすると良いでしょう。
Google検索での、ロングテールキーワードの選定はもっとも簡単な方法であるため、キーワードの候補を洗い出し、検索ボリュームや上位表示の難易度を検証できるツールを併用するのも1つの方法です。
Ubersuggest
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)は、キーワードの分析や競合サイトの調査ができるツールです。
キーワードの抽出や検索ボリュームの検索に加え、CPCやドメインスコアのチェックが簡単に調べられます。自社サイトの規模を把握できたり競合他社と比較したり、複合的な調査が可能です。
Googleキーワードプランナーよりも、検索ボリュームが細かく把握でき、異なるキーワードが表示されるのが特徴です。キーワードプランナーと併用すれば網羅性が高まります。
無料で使える機能の性能は高いですが、検索回数が制限されている点には注意が必要です。
ahrefs
ahrefs(エイチレフス)は、自社サイトや競合サイトの分析ができるSEO調査に役立つツールで、被リンク分析に強みを持っていることが特徴です。機能が豊富に備わっているため、ロングテールキーワードの選定にも活用できます。
ロングテールキーワードの選定には、キーワードエクスプローラー機能やサイトエクスプローラー機能が役立ちます。キーワードエクスプローラー機能では、調査したいキーワードを入力すると関連するキーワードを教えてくれます。
キーワードの検索ボリュームや難易度を調査できる機能も備わっており、優先すべきキーワードを把握できます。また、サイトエクスプローラー機能では、ドメインやURLから、流入キーワードの確認ができるため、競合サイトがどのようなキーワードで流入増加ができているのかを分析できます。
使える機能が豊富であることに加え、新たな機能も随時追加されている優秀なツールです。
Keyword Tool
Keyword Tool(キーワードツール)は、キーワードの抽出量が多くニッチなキーワードも見つけられるツールです。
キーワードプランナーなど他のツールでも取得できないキーワードを探せ、無料版でも750のキーワードを入手できます。有料版であれば、キーワードの入手数が2倍になり、解析に便利な機能も備わります。
Googleアカウントを持っていない場合にも利用でき、キーワードプランナーの代用としてもよく利用されるツールです。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、自社サイトがどの検索キーワードで表示されるのかを把握できる無料のツールです。
Googleが提供するツールのため、Googleで検索されたものが対象で、検索順位・表示回数・クリックの回数やその割合など、検索のパフォーマンス状況を確認できます。
自社サイトに流入した検索ユーザーが、どのようなロングテールキーワードで検索したかがわかり、他のツールとは違った形でロングテールキーワードを見つけられます。
その他、エラーやペナルティのチェックまで行えるため、日々のモニタリングに活用できます。
ruri-co(ルリコ)
ruri-co(ルリコ)は、関連キーワードの類似率と検索ボリュームが調べられるツールです。
キーワードを入力すると関連するキーワードが一覧で表示され、それぞれの類似率の割合と検索ボリュームが把握できます。また関連するキーワードが、記事のタイトルにどのように使用されているか確認できることも特徴です。
類似率が高いキーワードは、検索意図が似ているという意味であるため、別の記事を作成する必要はありません。キーワードの類似率をチェックできることは、カニバリゼーションの対策にも繋がります。
ruri-coは、記事の重複を防ぎながら、検索ボリュームにも配慮でき、ロングテールキーワード選定に役立つツールです。アカウント登録も不要で無料での利用が可能、検索の回数制限もありません。
ロングテールキーワードに関する注意点
ロングテールキーワードに焦点を置いたSEO対策は戦略的なアプローチに繋がりますが、その手法や理解に対して下記のように注意するべき点があります。
- ロングテールキーワードは過剰に使用しない
- ロングテールキーワード=広告コストが低いとは限らない
ロングテールキーワードは過剰に使用しない
ロングテールキーワードでコンテンツを作成する際には、キーワードの過剰使用に気を付ける必要があります。
通常キーワードは、ロングテールキーワードとショートキーワードに分類されますが、ロングテールキーワードでもショートキーワードでも基本的には、文章内に過剰に使用することは、Googleのペナルティの対象にあたる行為のため注意が必要です。
キーワードを使う際には、適切な箇所に自然な流れで使用することを心がけましょう。また、アンカーテキストにキーワードを過度に使用することも違反行為にあたるため気を付けるべきです。
ロングテールキーワード=広告コストが低いとは限らない
前述したように、ロングテールキーワードは低コストでPPC広告が出せるメリットがありますが、注意するべき点があるので紹介します。ロングテールキーワードでPPC広告を出稿すると、広告コストが抑えられる傾向にあると解説しましたが、広告コストが低い理由は、ロングテールキーワードに対するニーズが少ないからです。
ニーズが少ないということは、広告を出稿したところで検索自体がされにくいため、品質スコアの評価が低下します。そのため、広告が表示されず広告費を消化できない、データがうまく蓄積されない恐れがあります。
せっかく広告を出稿するのですから、設定するロングテールキーワードを正しく精査した上で、広告を打ち出すようにしましょう。
まとめ
ロングテールキーワードは、ニッチで検索ボリュームが比較的少ないキーワードになりますが、SEO対策として取り入れるべき施策の1つです。
キーワードを正しく抽出し、検索ボリュームの検証などを繰り返すことで、ユーザーが求めている問題に気づくことができ、悩みを解決するための良質な記事の提供が可能となります。
競合サイトがまだ対策していない内容であることも多いため、1つ1つ地道に良質な記事を作り続けていくことで、上位表示を狙いやすいほか集客やコンバージョンへ繋がる結果になるでしょう。
検索順位がなかなか上がらないといった悩みがある場合や、SEO対策を始めたばかりといった場合には、ロングテールキーワードを意識してコンテンツを制作してみましょう。
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