コンテンツSEO ロングテールキーワードとは?選び方とSEO効果

ロングテールキーワードとは、複数の単語を組み合わせた複合キーワードです。上位表示しやすく、CVに結び付きやすいので、SEO対策を始めたばかりのメディアで効果を発揮します。この記事では、ロングテールキーワードとは何か、ロングテールSEOのメリット・デメリット、ロングテールキーワードの選び方、調べ方について解説します。
ロングテールキーワードとは

ロングテールキーワードとは、複数の単語を組み合わせたキーワードです。
検索ユーザーは、検索するときにひとつの単語だけでなく、複数の単語を組み合わせて検索することがあります。ひとつの単語だけで検索すると、自分が知りたい記事が見つからないことがほとんどだからです。
たとえば、二日酔いが早く治る食べ物がなにかを知りたい人が「二日酔い」と検索すると、二日酔いのメカニズムや二日酔いの症状、二日酔いを治す方法が書かれた記事が表示されてしまいます。
検索ユーザーは、求める記事をピンポイントで見つけるために、最初に検索した単語に別の単語を加えて検索するでしょう。
それでも求める記事が見つからなかった場合に、さらに別の単語を加え、3語あるいは4語を組み合わせたキーワードで検索することで、求める記事が見つかるように検索するキーワードを工夫します。
上記のように、読者が求める記事をピンポイントで探すときに使用される複数の単語を組み合わせたキーワードを、ロングテールキーワードと言います。
ロングテールキーワードの特徴
ロングテールキーワードは、検索ボリュームが少ない傾向にあります。特定の目的で書かれた記事を探す時に使用されるキーワードなので検索する人が少ないからです。
一般的には、検索ボリュームが1,000以下のキーワードをロングテールキーワードと呼びます。また、他のキーワードと比べると、コンバージョンしやすいという特徴があります。
ビッグキーワード・ミドルキーワードと比較したロングテールキーワードの特徴は以下の通りです。
キーワード | 検索ボリューム | コンバージョン率 | 競合性 |
---|---|---|---|
ビッグキーワード | 多い | 低い | 多い |
ミドルキーワード | 普通 | 普通 | 普通 |
ロングテールキーワード | 少ない | 高い | 少ない |
ロングテールキーワードの例
ロングテールキーワードは明確に定義されていないため、使用する人によって考え方や基準が異なります。検索ボリュームが少なければ、1語・2語であってもロングテールキーワードとする人もいるようです。
また、2語・3語であっても検索ボリュームが大きければロングテールキーワードではないとするケースもあります。
ロングテールキーワードと検索ボリュームの例をご紹介します。
キーワード | 検索ボリューム |
---|---|
ビッグキーワード | ・ブログ:368,000 |
ミドルキーワード | ・ブログ 始め方:27,100 ・ブログ 収益化:18,100 |
ロングテールキーワード | ・ブログ 副業 始め方:480 ・ブログ 収益化 難しい:2900 |
キーワード | 検索ボリューム |
---|---|
ビッグキーワード | ・Twitter:9,100,000 |
ミドルキーワード | ・Twitter 広告:8,100 ・Twitter 動画:27,100 |
ロングテールキーワード | ・Twitter 広告 消す:2,400 ・Twitter 動画 保存:201,000 |
上記の例では3語を組み合わせた「Twitter 動画 保存」の検索ボリュームは20万以上となっており、「Twitter 広告」や「Twitter 動画」よりも検索ボリュームが多いです。
ロングテールキーワードの中には、一般的なビッグキーワードやミドルキーワードよりも検索ボリュームが多いケースもあります。
検索ボリュームが少ないキーワードのすべてがロングテールキーワードではありません。検索ボリュームを基準として考える場合には、検索ボリュームが少ないキーワードはスモールキーワードと表現すべきでしょう。
ロングテールSEOとは
ロングテールSEOとは、ロングテールキーワードで自然検索を増やし、WEBサイトへの流入数の増加や購買などのコンバージョン(CV)をアップさせるために行うSEOのことを指します。
ロングテールSEOの考え方は、マーケティングにおけるロングテール理論が元になっています。ロングテール理論とは、「人気商品の売上総額よりニッチ商品の売上総額が上回る」というものです。
米国の雑誌Wired Magazine誌の編集長クリス・アンダーソンが、ネットショッピングのビジネスモデルとして、2004年にロングテール理論を提唱しました。
実店舗のマーケティングでは、「全体の20%の商品が、全体の売上の80%を占める」というパレートの法則(80:20の法則)が主流です。しかし、ネットショッピングにおいては、売り場面積や在庫の制約を受けることなく、需要の低い商品も扱うことができます。
結果として、需要の低い商品やニッチ商品の方が、主力商品の売上を上回ることになったのです。
ロングテール理論は、SEO対策においても当てはまる考え方です。ビッグワードで集客しても実際にCVに結びつくことは少なく、ロングテールキーワードで集客した方がCVRが高い傾向にあります。
従来のアクセス数を重視する戦略より、コンバージョン率を重視する戦略の方が効果が高いとして、ロングテールSEOが注目されるようになりました。
ロングテールキーワードのメリット
ロングテールSEOのメリットは以下の3つです。
- コンバージョン率が高い
- 上位表示されやすい
- 検索意図が掴みやすい
コンバージョン率が高い
ロングテールSEOのメリットは、コンバージョン率が高いことです。
ロングテールキーワードで検索するユーザーは、ただ情報を知りたいのではなく、具体的な悩みや問題を解決したいと考えています。AIDMA(アイドマ)で言えば、最後のActionの段階と言えるでしょう。
AIDMA(アイドマ)とは、消費者の購買プロセスを説明するためのフレームワークのひとつです。
A | Attention | 存在を知る |
I | Interest | 興味を持つ |
D | Desire | 欲しいと思う |
M | Memory | 記憶する |
A | Action | 購入する |
つまり、ロングテールキーワードはCVにもっとも近いキーワードと言えるでしょう。
上位表示されやすい
ロングテールSEOは、弱者のためのSEOとも呼ばれています。
規模が大きいサイトは、主にビッグキーワードとミドルキーワードをターゲットにした記事を作ります。
検索ボリュームが多いキーワードで記事を作った場合、ひとつの記事から得られるアクセス数が多くなり、費用対効果が高いです。一方、ロングテールキーワードでは期待できるアクセス数が少なく、記事を管理・分析する手間がかかります。
つまり、ビッグキーワードとミドルキーワードで上位表示できるサイトにとっては、ロングテールキーワードで記事を作るのは費用対効果が低くなってしまうということです。
一方、記事を投入し始めたばかりのサイトや規模の小さいサイトは、検索ボリュームが大きいキーワードで集客しようとしても、なかなか上位表示できません。ビッグキーワードは競合記事が多く、運営するサイトも強いドメインばかりだからです。
サイト自体がGoogleから評価されていない(ドメインパワーが低い)状態でビッグキーワード・ミドルキーワードで記事を量産してもGoogleからの評価が得られず、費用対効果が低くなります。
ロングテールキーワードで記事を作れば、規模が大きいサイトとの競争を避けることができるため、上位表示されやすいです。
上記のように、ロングテールSEOは弱者のためのSEOと言えるでしょう。
検索意図が掴みやすい
ロングテールSEOのメリットは、検索意図が掴みやすいことです。
「動画編集アプリ」と検索する人は、iPhone用のアプリを探している、android用のアプリを探している、無料で使えるアプリを探しているなど目的はさまざまです。iPhone用のアプリを探している人にandroid用のアプリを紹介しても満足されないでしょう。
一方、「動画編集アプリ iPhone 無料」というロングテールキーワードで検索した場合だと、iPhoneで利用でき、かつ無料のアプリを探していることがはっきり分かります。
ロングテールキーワードは検索ユーザーの検索意図が色濃く反映されたキーワードなので、ユーザーの満足度が高い記事が作れます。
ロングテールキーワードのデメリット
ロングテールSEOのデメリットは以下の3つです。
- アクセス数が少ない
- 重複記事の発生に繋がる
- 記事のメンテナンスに手間がかかる
アクセス数が少ない
ロングテールSEOのデメリットは、ひとつの記事から得られるアクセス数が少ないことです。
一般的に、ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ない傾向にあります。検索ボリュームが少なければ、検索上位になったとしても検索ボリューム以上のアクセス数は得られません。
【検索順位とクリック率・アクセス数の目安】
検索順位 | クリック率 | 検索ボリューム 1,000のアクセス数 | 検索ボリューム 50,000のアクセス数 |
---|---|---|---|
1位 | 28.5% | 285 | 14,250 |
2位 | 15.7% | 157 | 7,850 |
3位 | 11.0% | 110 | 5,500 |
4位 | 8.0% | 80 | 4,000 |
5位 | 7.2% | 72 | 3,600 |
6位 | 5.1% | 51 | 2,550 |
7位 | 4.0% | 40 | 2,000 |
8位 | 3.2% | 32 | 1,600 |
9位 | 2.8% | 28 | 1,400 |
10位 | 2.5% | 25 | 1,250 |
上記の表のように、検索ボリューム1,000のキーワードで検索1位になった場合より、検索ボリューム50,000の記事で検索10位になる方がアクセス数がはるかに多いです。また、順位をひとつ上げる時の効果も、検索ボリュームが多い方が大きくなります。
ただし、ロングテールキーワードのすべてが検索ボリュームが少ないわけではありません。
「Twitter 動画 保存」のように、検索ボリュームが20万以上のロングテールキーワードもあります。
重複記事の発生に繋がる
重複記事の量産に繋がりやすいことも、ロングテールSEOのデメリットです。
例えば、「動画 編集 費用」と「動画 編集 料金」だと検索意図はほとんど同じです。それぞれのロングテールキーワードで記事を作成しても、似たような内容になるでしょう。
似たような記事を量産すればカニバリが発生しやすくなり、Googleからの評価分散につながります。
記事のメンテナンスに手間がかかる
ロングテールSEOのデメリットは、メンテナンスに手間とコストがかかることです。
ビッグキーワードならひとつの記事で大量のアクセスを得られますが、ロングテールキーワードでアクセス数を稼ぐためには記事を大量に作る必要があります。記事数が多ければ記事の分析やメンテナンスにかかる手間とコストも多くなるため、記事の管理がおろそかになることもあるでしょう。
検索上位を維持するためには、記事の定期的なメンテナンスは欠かせません。最初は検索上位表示できていたのに、半年後には順位が大幅に下がっていることも十分考えられます。
ロングテールSEOを実施するなら、記事を作るだけでなくメンテナンスの必要性も考慮しておきましょう。
ロングテールキーワードの選び方
ロングテールキーワードの選び方は以下の3つです。
- ビッグキーワードから関連キーワードを探す
- サイト構造を意識する
- サイトの目的・ターゲットに合ったキーワードを選ぶ
ビッグキーワードから関連キーワードを探す
ロングテールキーワードは、ビッグキーワードを軸にして選びます。関連性の低いロングテールキーワードで大量に記事を作っても、Googleからの評価が限定されてしまうからです。
ビッグキーワードからミドルキーワード、ロングテールキーワードと細分化する形で、ロングテールキーワードを選びます。ぼんやりした画像の焦点を絞ってはっきり見えるようにする作業と考えると分かりやすいかもしれません。
サイト構造を意識する
ロングテールキーワードを選ぶときには、サイト構造も意識しましょう。
Webサイトは、ツリー構造が基本です。ミドルキーワード記事がビッグキーワード記事を支え、ロングテールキーワード記事がミドルキーワード記事を支える構造になります。各記事を内部リンクでつなげることで検索エンジンのクロールを促し、評価も得られやすいです。

また、ロングテールSEOではトピッククラスターモデルも効果的です。トピッククラスターモデルとは、コンテンツをトピッククラスターにまとめて整理する手法です。
キーワードの検索ボリュームが大きい場合や、競合するサイトのドメインパワーが強い場合でも、上位表示できる可能性が高くなります。

サイトの目的・ターゲットに合ったキーワードを選ぶ
ロングテールキーワードを選ぶときには、サイトの目的・ターゲットに合わないキーワードを除外する作業も必要です。
たとえば、SNS動画の制作がテーマのサイトであれば、「Twitter 動画 保存」というキーワードで記事を作るのは効果的ではありません。検索するのはTwitterに流れてくる動画を保存して個人的に視聴することが目的の一般ユーザーであり、動画を制作しようとは考えていないからです。
同様に、SNS広告の運用会社であれば、「Twitter 広告 消す」で記事を作るのも効果的ではありません。Twitterに流れてくる広告を見えなくなるようにするのは、自社の利益に相反するからです。
ロングテールキーワードを選ぶ時には、サイトの目的・ターゲットに合ったキーワードを選ぶようにしましょう。
ロングテールキーワードの調べ方
ロングテールキーワードの調べ方は以下の2つです。
- サジェストキーワードを参考にする
- ツールを使用する
サジェストキーワードを参考にする
ビッグキーワードを検索窓に入力すると、ミドルワードがサジェストキーワードと関連キーワードに表示されます。キーワードによってはロングテールキーワードが含まれることもあるようです。
表示されたミドルキーワードをさらに検索することで、サジェストキーワードと関連キーワードにロングテールキーワードが表示されます。
上記作業を何度も繰り返すことで、ロングテールキーワードが見つけられます。
ただし、上記のやり方では検索する手間がかかり、表示されるキーワードが8個もしくは10個と少ないです。見つけたロングテールキーワードを一つ一つファイルなどに記入する作業も必要になります。また、ロングテールキーワードの検索ボリュームまでは分かりません。
ツールを使用する
ロングテールキーワードは、ツールを利用することでも見つけられます。
おすすめのツールは以下の通りです。
・ Googleトレンド
・ Googleキーワードプランナー
・ Googleサーチコンソール
・ Ahrefs
・ Ubersuggest
・ ラッコキーワード
ロングテールキーワードの上位に当たるビッグキーワードやミドルキーワードで記事をすでに書いている場合は、Googleサーチコンソールを使ってロングテールキーワードを調べることをおすすめします。
Googleサーチコンソールに記事URLを入力し、クエリタブをクリックすれば、実際に検索ユーザーが使用したロングテールキーワードを調べられます。掲載順位が11以下のキーワードをピックアップして、対策すべきかどうかをチェックしましょう。
AhrefsやUbersuggestなどのツールでロングテールキーワードを調べる手順は、前述した手順と同様です。ツールにビッグキーワードを入力し関連キーワードを取得、さらに関連キーワードをツールに入力してロングテールキーワードをピックアップします。
ツールを使用してロングテールキーワードを調べる時のポイントは、ビッグキーワードから関連キーワードを取得しただけで終わらないことです。
ビッグキーワードからだけでもロングテールキーワードは調べられますが、すべてではありません。手間がかかりますが、ミドルキーワードからも関連キーワードを取得することで、より多くのロングテールキーワードが見つかります。
まとめ
ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないため、対策がおろそかになりやすいです。
検索順位が上げやすい、ビッグキーワードの評価に影響を与える、コンバージョン率が高いといったメリットがあるため、ロングテールSEOに取り組むメディアが増加しています。
なかなか検索順位が上がらないとお悩みであれば、ロングテールキーワードでコンテンツを制作してみましょう。
コンテンツSEOの外注をご検討されている方は、ぜひこちらのサイトをご覧ください。
貴社に最適な「見つけてもらえる」「読まれる」記事をご提案いたします。