SEO対策 パンダアップデートとは?意味と由来、SEOへの影響を解説

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パンダアップデートとは、2011年に行われたGoogle検索エンジンのアルゴリズムアップデートのひとつです。低品質なコンテンツを検索結果から排除し、良質なコンテンツを検索結果に表示することを目的として導入されました。本記事では、パンダアップデートの概要から導入された背景、対象となるサイト、対策ポイントまで解説します。

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パンダアップデートとは

パンダアップデートとは、2011年に米国のGoogleで導入されたGoogle検索エンジンのアルゴリズムアップデートです。

アップデートの内容は、低品質なコンテンツを検索結果から排除し、良質なコンテンツを検索結果に表示することを目的として導入されました。

日本では2012年に導入され、その後も定期的にアップデートを繰り返し、最後に確認されたパンダアップデートは、2015年7月18日に導入されたパンダアップデート4.2です。

パンダアップデートという名称には、Googleのアルゴリズム開発に大きく関わったNavneet Panda氏(ビスワナス・パンダ氏)が由来になっている説と、サイトの評価を白黒させるという意味が込められている説があります。

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パンダアップデートの導入背景

Googleがパンダアップデートを導入した意図は、低品質なコンテンツを検索結果から排除し、良質なコンテンツを検索結果に表示することにあります。

パンダアップデートが導入される前の2010年頃は、アフィリエイトリンクをクリックさせる目的のコンテンツや、検索上位表示をさせることのみを目的としたWEBサイトが検索結果の上位を独占していました。

一方で、ユーザーにより役立つ良質なコンテンツを持つWEBサイトが、低品質なコンテンツに埋もれてしまい、検索結果で上位表示されないという状況が続いていました。

Googleは、良質なコンテンツが埋もれてしまう状況は、ユーザーの利益にならないと考え、低品質なコンテンツを検索結果から排除し、良質なコンテンツを検索結果に表示するために、パンダアップデートを導入した訳です。

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パンダアップデートによるSEOの影響

パンダアップデートが導入された結果、独自性のないコンテンツや広告の割合が多いサイト、重複した内容が多いサイトなどは、低品質なコンテンツとみなされペナルティを受け、検索順位が低下したり、ページがインデックスから削除されたりしました。

一方、ユーザーにとって価値のあるコンテンツや、E-A-Tを重視したコンテンツ、UXを意識したコンテンツの検索順位は、パンダアップデートにより向上しています。

2011年2月24日に実施されたパンダアップデートにより、英語圏では11.8%の検索結果に影響を与えたそうです。

【2011年に実施されたパンダアップデートの検索結果への影響の割合】

実施された日時検索結果への影響
2011年2月24日11.8%
2011年4月11日2%
2011年5月10日~7月23日公表なし
2011年8月12日6-9%
2011年9月28日公表なし
2011年10月19日2%
2011年10月19日1%以下
参照元:Google Confirms Panda Update Is Rolling Out: This One Is More “Finely Targeted”
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ペンギンアップデートとの違い

「パンダアップデート」がWEBサイト内のコンテンツの質に対する評価をするためのアルゴリズムであるのに対し、「ペンギンアップデート」は、過剰なリンクによるSEOやブラックハットSEOを行うWEBサイトを排除するためのアルゴリズムです。

どちらのアップデートも、Googleの検索結果の品質を向上することを目的に導入されているため、ユーザーにとって有益な情報を提供するWEBサイトを作り続けることが最も有効な施策となります。

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パンダアップデートで対象となるサイト内容は?

パンダアップデートで影響を受けるサイト、コンテンツには以下のようなものがあります。

  1. 他サイトからコピーされたコンテンツ
  2. 情報量が少ない低品質コンテンツ
  3. 独自性のないコンテンツ
  4. 自動生成されたコンテンツ
  5. 誘導ページにあたるサイト
  6. 広告中心のページ

それぞれ詳しく解説します。

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他サイトからコピーされたコンテンツ

外部サイトに書かれている内容をコピーしたコンテンツを掲載している場合、パンダアップデートの対象となります。

コピーコンテンツを禁止している理由は、検索結果上に複製したコンテンツが表示された場合、ユーザーがGoogle検索エンジンへの信頼を失うためです。

ただし、あくまでも検索順位の操作やユーザーへの偽装を目的として、悪意を持ってコピー作成されたコンテンツが対象であり、引用元を表記した上で一部コンテンツを参考に掲載している場合は該当しません。


【ポイント】
外部サイトのページを無断で複製し、独自の情報や付加価値を追加せずにそのまま掲載しているページはパンダアップデートの対象となります。

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情報量が少ない低品質コンテンツ

情報量が少ない低品質コンテンツとは、ページ内の情報量が少なく、ユーザーの課題を解決できないコンテンツや、アフィリエイトのみを目的としたコンテンツです。

Googleは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することを掲げており、内容の薄いアフィリエイトサイトは、ユーザーエクスペリエンスの低下に繋がり価値が無いと判断します。

【情報量が少ないコンテンツ例】

  • ページにアフィリエイトリンクを含んでおり、販売元からコピーしたレビューを使っている
  • 独自性のあるコンテンツ内容がなく、サイト全体がアフィリエイトで構成されている

ただし、アフィリエイトプログラムに参加している全てのサイトが、情報量が少ない低品質コンテンツな訳ではありません。あくまで、独自性のあるレビューや、オリジナル性のある商品情報などが無いページが対象になります。


【ポイント】
ページ内の情報量が極端に少ないページや、アフィリエイトリンクのみを設置しているようなページはパンダアップデートの対象となります。

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独自性のないコンテンツ

独自性のないコンテンツも、パンダアップデートの対象です。

コピーコンテンツと似ていますが、こちらはコピーコンテンツとならないようにコンテンツを偽装しているページを指します。

▼ 独自性のないコンテンツとは、以下のようなページです。

  • 外部サイトのページを無断で複製し、ツールを使用して加筆・修正をおこなったページ
  • 外部サイトのページを無断で複製し、語句を置き換えたり、類義語に変換したりしただけのページ
  • 外部サイトのテキストや画像、動画などのコンテンツを引用しただけのページ


【ポイント】
外部サイトのページを元に内容を少し変えただけのページを生成すると、パンダアップデートの対象となります。

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自動生成されたコンテンツ

自動生成されたコンテンツとは、コンテンツを自動的に生成するプログラムを使用して作成されたページです。検索ランキングの上位表示を狙うことが目的のブラックハットSEOのひとつです。

人による編集がされない状態で作られたコンテンツで、文法自体は正しく配置されていますが、実際に読むと支離滅裂な内容の文章になっています。

このように、自動生成されたコンテンツも、ユーザーにとって価値のあるコンテンツではないと判断され、パンダアップデートの対象になります。

ただし、「ChatGPT」などのAIが自動生成したコンテンツのように、意味の通じる文章となっている場合は、自動生成されたコンテンツに該当するのか判断が難しい所です。


【ポイント】
手間を省くためにプログラムによって自動で作られたコンテンツは、パンダアップデートの対象となります。

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誘導ページにあたるサイト

誘導ページとは、ユーザーを特定のページに誘導することを目的としたページです。

特定のリンクを貼る目的で、低品質なページを複数作りユーザーを誘導させています。また、ページのキーワードを一部だけ入れ替え、類似したページを複数作り、検索上位表示を目的として作成した検索意図を満たしていないページなどがあげられます。


【ポイント】
特定のページへの誘導を目的としたページは、パンダアップデートの対象となります。
手間を省くために自動プログラムで作られたコンテンツは、パンダアップデートの対象となります。

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広告中心のページ

広告中心のページとは、広告のバナーがページ内での割合を多く占めているページを指します。

広告バナーだけが掲載されているページは、広告出稿先のページへ誘導を目的としているため、ユーザーにとって利用価値が低く検索結果に表示させる意味がありません。


【ポイント】
広告掲載だけを目的としたページは、パンダアップデートの対象となります。

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パンダアップデートの実施状況は?

パンダアップデートは、定期的にアップデートを繰り返し行い精度を高めてきました。

この項目ではアップデートの履歴を紹介します。

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2011年2月に手動で開始

パンダアップデートは、2011年2月にはじめて手動で導入され、2015年7月までに、計28回のアップデートを繰り返しています。

また、Googleの検索アルゴリズムには、様々な内容が存在し、日々アップデートを実施しています。その中でも、パンダアップデートは、コンテンツに関するアルゴリズムであり、検索順位にも大きく影響すると言えるでしょう。

【過去に実施されたパンダアップデートの検索結果への影響の割合】

バージョン実施された日時検索結果への影響
パンダアップデート1.02011年2月24日11.8%
パンダアップデート2.02011年4月11日2%
パンダアップデート2.12011年5月10日公表なし
パンダアップデート2.22011年6月16日公表なし
パンダアップデート2.32011年7月23日公表なし
パンダアップデート2.42011年8月12日6-9%
パンダアップデート2.52011年9月28日公表なし
パンダアップデート3.02011年10月19日2%
パンダアップデート3.12011年11月18日1%以下
パンダアップデート3.22012年1月18日公表なし
パンダアップデート3.32012年2月27日公表なし
パンダアップデート3.42012年3月23日約1.6%
パンダアップデート3.52012年4月19日公表なし
パンダアップデート3.62012年4月27日公表なし
パンダアップデート3.72012年6月9日1%
パンダアップデート3.82012年6月25日約1%
パンダアップデート3.92012年7月24日約1%
パンダアップデート3.9.12012年8月20日約1%
パンダアップデート3.9.22012年9月18日0.7%以下
パンダアップデート2012年9月27日2.4%
パンダアップデート2012年11月5日1.1%
パンダアップデート2012年11月21日0.8%
パンダアップデート2012年12月21日1.3%
パンダアップデート2013年1月22日1.2%
パンダアップデート2013年3月15日公表なし
パンダアップデート2013年7月18日公表なし
パンダアップデート4.02014年5月20日公表なし
パンダアップデート4.12014年9月25日公表なし
パンダアップデート4.22015年7月18日公表なし
参考資料:Google Confirms Panda Update Is Rolling Out: This One Is More “Finely Targeted”
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現在は自動でアップデートされ告知がない

2013年6月に、パンダアップデート自体は継続しておこなうものの、公表はしないとGoogleが発表し、通常のアルゴリズムアップデートで更新がおこなわれています。現在では自動でアップデートされ、基本的に告知はされません。

しかし、2014年5月20日に実施されたパンダアップデート4.0、2014年9月25日のパンダアップデート4.1、2015年7月18日のパンダアップデート4.2については告知されており、再度パンダアップデートが実施された際には告知がおこなわれる可能性があります。

アップデート情報は、「Google検索セントラルブログ」や「Google Search Central」のTwitterにアップされるため、定期的に確認しておきましょう。

Google 検索セントラルブログ
Google Search Central Twitterアカウント

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パンダアップデートの対策ポイント

パンダアップデートに対応するうえで重要なことは、検索順位を意図的に操作するコンテンツや、ユーザーを偽装するような悪意のあるコンテンツを作成しないことです。

ユーザーの役に立つコンテンツを作成していれば、パンダアップデートの対象になることはありません。

つまり、「検索順位ではなく、自サイトに訪れるユーザーにとって何が価値があるのか?」を第一に考えてページを作成すれば良いだけです。

SEO対策に対する間違った認識で、低品質なコンテンツを作成しているのであれば、速やかにページを削除しましょう。

自サイトを、価値の高いサイトにするためのポイントをいくつか紹介します。

4-1

ユーザーに価値のあるコンテンツを追加する

SEO対策において重要なことは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することです。

さらに、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツを作成することで、検索上位表示にも繋がりやすくなります。

ユーザーに価値のあるコンテンツを追加するには、

  • ユーザーの悩みや課題解決できる情報を掲載する
  • WEB上には無い一次情報となるデータを掲載する
  • 実際の体験談を記載する
  • 第三者の口コミや評価を記載する

などを行い、ユーザーにとって価値のある内容になるよう、掲載する情報の品質と精度を高めることが大切になります。

4-2

E-E-A-Tを重視したコンテンツの作成

E-E-A-Tとは、Googleの品質評価ガイドラインに登場する項目のひとつで、「Experience(経験・体験)」「Expertise(専門性)」・「Authoritativeness(権威性)」・「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字を取って、EEATと呼ばれています。

E-E-A-Tは直接ランキングには関係が無いと言われていますが、E-E-A-Tを重視することでユーザーに取って価値のあるコンテンツを作成することに繋がり、結果的にはSEO対策上の効果も期待できます。

4-3

UXを意識したコンテンツの作成

UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザーがページを閲覧することで得られる、ページに含まれる情報を除いた価値です。

▼ 以下のようなコンテンツを作成することで、UXの向上に繋がります。

  • サイトをSSL化する
  • ページの表示速度を高める
  • ページに設置しているボタンなどの反応速度を高める
  • ページに含まれるコンテンツを視覚的に安定させる
  • レスポンシブWebデザインのサイトにする

ただし、UXが低いページであっても、パンダアップデートの対象となるわけではありません。

4-4

ページエクスペリエンスを高める

ページエクスペリエンスとは、コンテンツ以外の部分がユーザーにとってどのくらいの利便性があるかを測る指標の1つです。

▼ 以下の基準で、ページエクスペリエンスが評価されます。

  • ページの表示速度・インタラクティブ性・視覚的安定性
  • ページがモバイルフレンドリーであるか
  • ページがHTTPSで配信されているか

サイトのページエクスペリエンスは、Googleサーチコンソールのエクスペリエンスレポートで確認できます。

ページエクスペリエンスが低くても、ユーザーにとって価値があるコンテンツであれば、検索上位表示されます。逆に、他のサイトよりページの価値が低いとみなされれば、ページエクスペリエンスを高めても、検索順位を上回ることはありません。

ページエクスペリエンスが検索順位に影響するのは、コンテンツの質に大きな差がない場合です。

ただし、ページエクスペリエンスが低いことで、パンダアップデートの対象になることはありません。

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まとめ

今回は、パンダアップデートが導入された経緯や、ペナルティを受ける可能性が高いサイトの特徴、今後の対策について解説しました。

以下のようなコンテンツを作成すると検索順位が低下したり、インデックスから削除されたりする恐れがあります。

  • 他サイトからコピーされたコンテンツ
  • 情報量が少ない低品質コンテンツ
  • 独自性のないコンテンツ
  • 自動生成されたコンテンツ
  • 誘導ページにあたるサイト
  • 広告中心のページ

本記事で紹介したパンダアップデートの歴史や対策ポイントを意識し、ユーザーへ価値を提供できるコンテンツを作成しましょう。

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この記事を書いたライター

SEO施策部

SEMを軸にSEOの施策を行うオルグロー内の一部署。
サイト構築段階からのSEO要件のチェックやコンテンツ作成やサイト設計までを一貫して行う。社内でもひときわ豊富な知見を有する。またSEO歴15年超の塩田英司のノウハウをSEOサービスに反映し、2000社を超える個人事業主から中堅企業までの幅広い顧客層に向けてビジネス規模にあった施策を提供し続けている。

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