SXOとは?効果のあるSEO対策の方法を学ぼう!
SXOとは、「検索体験最適化」を意味する言葉で、Search Experience Optimizationの略語です。 検索ユーザーがGoogleなどの検索エンジンでの検索行為で欲しい情報を得るまでの一連の体験の価値を高める施策のことです。
SXOとは?
WEBサイトは「ユーザーのニーズを満たすため」に存在するため、検索エンジンはユーザーのニーズを満たすWEBサイトやページを評価します。
評価の高いWEBサイトは、検索エンジンにより、多くのユーザーに閲覧させるために、検索結果ページの上位に表示されやすくなります。上位表示されると、より多くのユーザーに閲覧してもらえるため、ビジネス機会の創出に繋がります。
SXO(Search Experience Optimization)とは、そのための施策の総称です。SXOを正しく理解するために、まず前提をおさえておきましょう。
検索エンジンの方針
SXOを理解するためには、まず検索エンジンの方針を理解しましょう。
「検索エンジン」は、検索ユーザーのニーズを満たすために日々アルゴリズムを変化させています。Googleの指す「完璧な検索エンジン」に近づけるために、変化は生じます。
完璧な検索エンジンとは?
「完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致する答えを返すものである。」
Google「完璧な検索エンジンとは」
Googleの公式サイトに、上記の記述があります。
また、Googleのコーポレートサイトでも「Googleが掲げる10の事実」というページで以下の記述があります。
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。
Googleが掲げる10の事実
最初に「ユーザーに焦点を絞る」という記載があります。
近年のSEOでも、「ユーザーファースト」(ユーザー第一主義)という概念が浸透しており、ユーザー目線を重視することの大切さを意識するSEO会社が増えてきました。
Googleが求める施策とは
Googleはウェブマスター向けにサイトの品質向上のために、ガイドラインに沿ってサイト作りを行う事を推奨しています。
基本方針
・検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
・ユーザーをだますようなことをしない。
・検索エンジンでの掲載位置を上げるための不正行為をしない。ランクを競っているサイトや Google 社員に対して自分が行った対策を説明するときに、やましい点がないかどうかが判断の目安です。その他にも、ユーザーにとって役立つかどうか、検索エンジンがなくても同じことをするかどうか、などのポイントを確認してみてください。
・どうすれば自分のウェブサイトが独自性や、価値、魅力のあるサイトと言えるようになるかを考えてみる。同分野の他のサイトとの差別化を図ります。
ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
上記はウェブマスター向けガイドラインの品質に関する基本方針の記載ですが、「ユーザーの利便性」を最初に記載しています。ユーザーの利便性とは、「ユーザーの検索体験の向上」を指します。
SXOは「ユーザーの検索体験を最適化することで、検索順位を上げる取り組み」なので、Googleの方針に即して施策を行っていきます。
検索体験とは
SXOは検索体験最適化という意味ですが、そもそも検索体験とはなんでしょうか?「検索体験」とは、ユーザーのニーズが検索によって満たされることを指します。
▼ 以下のように分解するとイメージがしやすいでしょう
- 【意図】 ニーズの発生
- 【検索】 ニーズに関連した単語の検索
- 【表示】 検索結果ページの表示
- 【選定】 ニーズを満たしそうなサイトへのアクセス
- 【閲覧】 コンテンツの閲覧
- 【獲得】 求めていた情報のニーズの充足
この一連の行動を検索体験といいます。
※このあとに、 - 【行動】 ニーズが満たされ次のアクションを行う
が続きますが、検索体験の先の話なので今回は割愛します。
このようにSXO(検索体験最適化)とは、このような一連の流れ(検索体験)のを最適化する、ことを指します。
SXOとSEOの違いについて
SXOとSEOの違いについて理解する前に、前提となるSEOという単語の意味を知りましょう。
【そもそもSEOとは?】
SEOとは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)という意味です。
「様々なクエリ(検索キーワード)に対して、特定のWEBサイトを検索結果の上位に上げるための取り組みの総称」です。 またその取り組みを状況に合わせて行う事をSEO対策と呼びます。
【SXOとSEOは本来同じもの】
Googleから見たとき、本来あるべきSEOの姿は「ユーザーのために、検索の世界をより豊かにする取り組み」です。検索エンジンの目的はユーザー体験の向上なので、検索エンジン最適化(SEO)は文字通り、ユーザー体験向上のためにあるべきでした。
しかし、実際には検索エンジンも「完璧」ではない不完全なものだったため、ウェブマスターは「ビジネス機会の創出」という目的のもと、「特定のクエリに対してサイトの順位を上げる」ためだけにSEOを行いました。
【SEO(=従来のSEO)とSXO(=本来あるべきSEO)】
ここでは、SEOとは「SEOの技術要件を満たして、特定のクエリに対してサイトの順位を上げる取り組み」、SXOとは「ユーザーの体験向上を通じて、サイトの順位を上げる取り組み」という前提に立ち、「SEO(=従来のSEO)」と「SXO(=本来あるべきSEO)」と定義し、違いを説明します。
対象の違い
単語の意味としては「検索エンジン」の最適化と、「検索体験」の最適化なので以下のように言えます。
最適化する対象の違い
- SXO:ユーザー(の検索体験)
- SEO:検索エンジン
ターゲットが異なるので、向上させる対象も異なります。
向上させる対象の違い
- SXO:ユーザーのニーズの充足度
- SEO:SEO技術要件の達成率
また対象が異なるので、KPIもやや異なります。
KPIの違い
- SXO:自然検索からの流入数+滞在時間
- SEO:自然検索からの流入数
実際の現場では、
- 滞在時間が短すぎる場合はニーズを満たせていないのではないか?
- 滞在時間が長すぎる場合は、ページがわかりづらいんじゃないか?
など、長短やクエリに応じてユーザーにとって良いコンテンツかどうかの可能性も模索します。
但し、KPIは「何を目的にサイト運営をするか?」でサイトごとに変わるのが通常なので、上記はあくまで目安となります。
策定したSEO戦略の内容に応じてきちんと設定しましょう。
施策領域と始点の違い
見ているポイントが変わると施策領域や施策の始め方も異なります。
SEOの施策領域と始点
- 【メインの対象】検索エンジン
- 【着目する項目】クエリそのもの(単語)
- 【価値観の中心】クエリに対するSEOの技術用件を満たすこと
- 【コアバリュー】アルゴリズム+SEO技術用件
- 【展開方法】「このクエリでサイトを上位表示するためには、このSEOを行いましょう」
▼ 図にすると以下のイメージです。
一方、SXOではユーザー(検索体験)が対象になるので以下の通りです。
SXOの施策領域と始点
- 【メインの対象】ユーザー
- 【着目する項目】クエリの背景(インテント検索意図)
- 【価値観の中心】検索の意図に対して、良質なコンテンツを提供すること
- 【コアバリュー】マーケティング+コンテンツ+ユーザビリティ
- 【展開方法】「ユーザーのニーズを把握してからコンテンツを作りましょう」
▼ SXOは以下のイメージです。
このようにSEOは「何に重きを置くか?」という視点やゴール設定の違いによって施策の方針や戦略が変化します。そのため、SEOを行う際はゴール設定や取るべき手法について改めて確認をした方が良いでしょう。策にも以下のような違いが出てきます。
SXOはどのように行うのか?
本来はSXOとSEOは同一の目的を果たすためにあります。SXOは本来あるべきSEOともいえるため、SXOの手法を知ることは正しいSEOの方法を理解することになります。
【本質的な方法論は同じ】
1つ具体例を挙げます。
SEOの技術要件として、
- 表示速度の改善
- titleタグやmeta descriptionタグ
の改善などを行うとしましょう。
このときに視点によって表現が異なります。
■ テクニカルSEOな視点
「検索エンジンが重視している項目なので、上位表示のために表示速度を上げて、評価されやすいHTMLタグに改善しましょう」
■ ユーザー体験重視の視点
「ユーザービリティやCTRでは重要な項目なので、ユーザー検索体験向上のためにストレスのない表示速度にし、内容が推測しやすいHTMLの文言に改善しましょう」
この2つは視点が異なるだけで全く同じことを指しています。
なぜならSXOでもSEOでもgoogleのアルゴリズムに対応することは、そのままユーザー体験の向上に繋がるので、本質的に同じ施策になるためです。(下図参照)
SXOの具体的な方法は?
SEOを行うことをSEO対策とよく言われますが、「対策」という言葉の意味は「相手の態度や事件の情況に応じてとる手段・策略。」です。なので、従来のSEOでは変わり続ける『検索アルゴリズムへの対応』を意味し、SXOでは変わり続ける『ユーザーニーズへの対応』を意味します。
では、実際にSXOを行う上で具体的な例を見ながら「方法論」を学びましょう。
※ 技術要件に関する方法は他のSEO記事をご覧ください。
ユーザーの検索体験プロセスを分解する
▼ 冒頭で伝えた検索体験を基準に見ていきましょう。各プロセスで求められるノウハウは以下の通りです。
- 【意図】 ニーズの発生
マーケティングを行い、ユーザーの検索意図を把握・予測する。 - 【検索】 ニーズに関連した単語の検索
クエリのボリュームの大小や特性を把握する。 - 【表示】 検索結果ページの表示
検索結果の傾向を把握し、上位表示のための指針とする。 - 【選定】 ニーズを満たしそうなサイトへのアクセス
titleやdescriptionの文言を工夫し、ニーズに訴求する。 - 【閲覧】 コンテンツの閲覧
ユーザービリティを高くし、コンテンツの品質を上げる。 - 【獲得】 求めていた情報のニーズの充足
パフォーマンスを分析し、必要な改善をする。
具体的なSEO施策に落とし込む
- 【ニーズの把握】
クエリや保有してるユーザー情報からペルソナ設定を行い、カスタマージャーニーマップなどを描く。 - 【クエリの特性】
検索時のサジェストワードやキーワードプランナーを用い、クエリのデータや特性、関連語などを把握する。 - 【検索結果の傾向】
検索結果ページの特長から、Googleの解釈や競合性を把握する。SXOの施策方法(前半) - 【見出しの改善】
サイトの見出しがクエリやニーズに適合しているか確認する。 - 【ユーザビリティ】
ユーザーに見やすく、使いやすい、サイト設計やページネーション、文章校正にする。 - 【原因特定と対策】
設定したKPIに基づいて分析をし、改善ポイントの洗い出しとアクションプランを立てる。
ポイントなのは、1~6に順番に行うだけでなく複眼的な視点で観察し、仮説の立案と検証を行う事が重要です。
検索体験のイメージ例
具体的な施策を行う前に、ユーザーの検索体験を体感しておくとイメージしやすいでしょう。自分自身の検索体験を多く振り返ることで、施策の精度が向上します。
▼ 以下は実際にあった検索体験例なので参考にしてください。
■ ある日、「東京ディズニーランドに行きたい!」と友人と約束したユーザーの検索体験
- 【意図】:「友人と東京ディズニーランドに行きたい」という欲求が生じる。
公共交通機関での正確なアクセス方法を知りたい、と思い立つ。(ニーズ) - 【検索】:モバイルの検索エンジンを立ち上げてクエリを入力する。
『ディズニー 行き方』と検索する。 - 【表示】:分かりやすいサイトを見たいので上から順番に見ていく。
検索結果が自分のニーズを満たしていそうか、表示されたサイト群を見て判断する。 - 【選定】:どのサイトでニーズが満たせるかを予測する。
1~4位に「交通アクセス」を含んだ見出しで、差分があまりなかったので1位の公式サイトを開く。 - 【閲覧】:表示されたページに路線図のイラストがあり、舞浜駅に行けばいいことがわかる。
自宅の最寄り駅から行くには、どのくらい時間がかかるのか?を知りたくなる。
【参考】:実際に訪れたディズニーの交通アクセスのページ - 【獲得】:同じページ下部の『主要駅からの所要時間と乗り継ぎ案内』の記載を確認する。
どのようにディズニーランドに行くかイメージが具体化され、検索ニーズは満たされる - 【行動】:上記コンテンツ内に、電車とは別に『直通バスでのアクセス方法』を発見し閲覧する。
乗り継ぎの手間がなくアクセス時間も変わらないバスでのアクセス情報を入手する。
費用と時間が変わらず、手間は減りそうなので直通バスで行かないか友人に提案する。
このように分解していくと、ユーザー目線に立ったときに、どのポイントを押さえてSEOを行うかの方針が決めやすくなります。検索体験を分解することに慣れたらカスタマージャーニーマップやサジェストキーワードなどを駆使して、コンテンツの深堀や拡張を行いましょう。
SXOの技術要件
クエリを見る深さ(検索意図の考慮)が異なるだけなので、SXOの技術要件はSEOの技術要件と大差ありません。その為、SXOの技術要件に関しては、SEOと同様に以下の最も信頼できる情報を参考しながら行いましょう。
SEO施策で参考にするべき情報
▼ SEO技術要件に関しては、以下の情報を参考しながら行うと良いでしょう。
・Googleのウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
品質に関する基本的な項目やスパム情報が掲載されています。
・Googleのウェブマスター向けガイドライン(コンテンツに関するガイドライン)
コンテンツに関する基本的な項目やスパム情報が掲載されています。
・Google General Guidelines(Google品質評価ガイドライン:原文=英語)
近年、SEOに大きな影響しているYMYLやE-A-Tなど、品質評価の基準が細かく掲載されています。
【概要が知りたい方向け】
【参考サイト】:検索品質評価ガイドラインとは?
【日本語翻訳した全文】
【参考サイト】:アイレップ私訳版 検索品質評価ガイドライン
ユーザー体験に影響する3大要素
▼ 上記の品質ガイドラインを参考にしながら、以下のユーザー体験に関わる以下の3点を意識して施策を行います。
- ユーザービリティ
- レリバンス
- オーソリティ
■ 1. ユーザビリティ(使いやすさ)
ユーザーにとっての使いやすさや分かりやすさです。
昨今で注目されているモバイルフレンドリーや表示速度(page speed insights)なども該当します。
分かりやすいtitleタグやページ遷移のしやすさ、表示速度やナビゲーションなどチェック項目は多岐に渡ります。
従来のSEOと異なる要素が重要視される。ユーザビリティでは3つのポイントが存在する
参考サイト:Web担当者Forum
■ 2. レリバンス(適合性)
検索意図に的確な情報を与えられているか?という考え方です。
クエリとコンテンツの関連度だけでなく、検索意図や検索ニーズに沿ったコンテンツを用意できているか?がポイントです。
レリバンスを考慮するときは、クエリの背景にある検索意図を把握・予測することが重要になります。
サジェストワードやユーザー情報、検索結果の傾向などからレリバンスを意識したコンテンツを作成します。
SXOで重要な2つ目の要素「レリバンス」
参考サイト:Web担当者Forum
■ 3. オーソリティ(権威性)
サイトやページの持つ信頼性を指します。
- 具体的には、サイト管理者やページの作成者(企業)が信頼できるか?
- 記事の情報が正確で信頼できる記事か?
- WEB上で、どの程度の地位を築いているか?
という点を評価されます。
あらためて考える「リンク」と「関係性構築」
参考サイト:Web担当者Forum
ユーザー目線の徹底が肝
「ユーザー目線で重要かどうか?」という視点があれば、安易なスパム手法や、関連性のない外部リンクなど使うことはないでしょう。その為、ユーザー目線でしっかりとSEO対策に取り組むことが重要です。
しかし、実際には「技術的なSEO論」に翻弄されているウェブマスターも少なくありません。
▼ 実際にクライアントから問われた質問に以下のようなものがありました。
- 『Googleの発信している情報から「文字数」は関係ない、と言われたがどうなのか?』
- 『関連度があっても外部リンクはユーザー体験とは関係がないから意味がないのではないか?』
といった内容です。
確かに「ユーザーの役に立たない」「意識されない」ものであれば、その通りですが、実際には事情が異なります。
以下は具体例です。
「文字数」によるユーザー体験への影響があった例
「1000文字くらいじゃないと読む気がしない」というユーザーもいれば、逆に「5000文字くらいはないとこの情報について網羅できない」というユーザーもいます。
ここで考慮しなければいけないのは、「コンテンツがユーザーにとって過不足のない情報量か?」という視点です。実際のクライアントで当初は「読みやすさ」を重視した1000文字程度の重要なことが凝縮されたコンテンツでも上位表示されませんでした。
競合比較などを行っていくと、その原因は「伝えたい情報の周辺情報の不足」が考えられました。そのため、コンテンツの中心となるメッセージは変えずに、周辺情報を補うことでパフォーマンスが改善されました。
これをユーザー目線で解釈すると、「より正確にコアメッセージを深く理解できた」というユーザー体験に繋がったと考えられます。
外部リンクによるユーザー体験への影響
一概に「外部リンクはユーザビリティに関係ない」とは言い切れない部分があります。もちろん検索順位を操作することを目的としたリンク操作はガイドラインでも注意喚起されていますが、だからといって「リンク=悪」では決してありません。
ここでポイントとなる発想は、「ユーザーにとって重要なコンテンツであればサイト外のサイトでもどんどん紹介した方がいい」という点です。もちろん、リンク集のような「どのリンク先を見ればいいか、判断しづらい外部へのリンク」はユーザビリティを損なう可能性が高いですが、コンテンツの内容について、理解を深めるサイトの参照はユーザーにとって価値があります。
この記事で言えば、Google公式のガイドラインのサイトなどへのリンクが該当します。このようなリンクは一般に、コンテンツへの理解を深めるために用いられるリンクであり、記事内容に関連性の高いサイトを参照することは、ユーザーにとってのメリットになりえます。そのため、ユーザー体験上でも評価の要因になっている可能性が高いです。
また参照された側のサイトは、その参照数が多いほど汎用性の高いページだと認識されるので、「より多くのユーザーに見せた方がいいページ」と判断されます。つまり、ユーザーにとって価値がある場合は「貼る側のサイト」も「貼られる側のサイト」もユーザー体験を向上させるサイトだと判断されうるのです。
実際の統計情報でもリンクと順位の相関性は見受けられるので安易に切り捨てるべきではないでしょう。このようにユーザーにフォーカスしていくと、自ずと必要な施策の方向性が見えていきます。Googleのガイドラインを基準にしながらも、本当に「ユーザー体験を向上させるにはどうすべきか?」という視点でSEOを行っていきましょう。
SXOの歴史
SXOはいつ頃から言われていた概念なのでしょうか?
ネット上では、Googleの検索エンジンのアルゴリズムなどを担当していたマット・カッツ氏がyoutubeで言及している事が発端になってると考えられます。
検索エンジン最適化の名前を変更すべきだと思いますか?
こちらの動画の公開日が2012年11月なので、基になる考え方はこのあたりから派生していると思います。アメリカのSEO関連の記事やSEO会社のサイトでも2012年頃から「Search Experience Optimization」という単語は散見されます。
▼ 以下は、上記のマット・カッツ氏の動画の要約です。
「SEOという言葉を切り口に強引でかつ悪徳な営業手法や、ユーザーを二の次にしたテクニカルなSEO対策が非常に多くみられ、堅実でマーケティング志向な優良なSEOが世論に埋もれてしまっている。SEOという呼び方は、本来の検索エンジンの方針からしても適していない印象を持たれてしまっているので、Search Experience Optimizationという捉え方でユーザーの体験を第一にしたら、もっとマーケティングがSEOにとって重要視されるようになるのではないか?」
その後2015年頃にSEO JAPANの記事で以下の記事が公開されました。この記事はSearch Engine Landと呼ばれる海外のSEOメディアの記事を意訳したものです。
検索エンジンの最適化から、検索体験の最適化へ
検索エンジンの最適化から、検索体験の最適化へ
という問題提起を促す内容です。
大元の記事は以下の記事です。
From SEO To SXO: Search Experience Optimization
From SEO To SXO: Search Experience Optimization
その後、アメリカでも日本でも、SXO関連の記事は2015~2016年に盛んにアップされています。実はこの時期というのはペンギンアップデートなどに見られるペナルティ処置(大幅な順位下落)を受けて、コンテンツマーケティングやコンテンツSEOなどが国内のSEO業界の主流になっていた時期でした。
コンテンツSEOとは「ユーザーにとって役に立つ良質なコンテンツが検索エンジンに好まれる」という「コンテンツを軸にしたSEO対策」です。当然「ユーザーにとって良いコンテンツ」を求めていくと、「ユーザーの検索意図に合う良質なコンテンツやページ作りを」という発想になるため、ユーザー体験の向上に直結します。
このような背景から「SXO」という言葉がマーケティング重視のコンテンツSEO会社にとってわかりやすい概念だったのではないでしょうか?
まとめ
SEOからSXOへのシフトは、SEOをより深くします。
- SXOは本来あるべきSEOをわかりやすく表現したもの
- ユーザーの検索体験を豊かにする事が本来あるべきSEOの姿
- 「検索体験を豊かにする」と「SEO技術要件を満たす」は年々近づいている
従来の技術要件重視の施策も、注目されているユーザー体験重視の施策も、SEOを行う上では避けては通れない要素です。
どちらが正しい、優れている、というわけではなく、きちんと自社のビジネスに関わるユーザーや、マーケットなどをしっかりと分析しながら、検索エンジンのトレンドも押さえていくのが成果に結びつくSEO施策となります。
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