SEO対策 SEO対策とユーザビリティ相関についての解説

近年、検索エンジンの性能向上に伴い、小手先のテクニックではなく本質的な施策が必要となっています。
そこで最近、SEO対策に関わる人のあいだでよく耳にするようになったのが「検索エンジンではなく、ユーザー視点でWEBサイトを構築しよう」といった話です。
ユーザビリティに優れたWEBサイトを作ることは、SEOに優れたWEBサイトを作ることと共通している部分もあるため、その結果「ユーザー視点でWEBサイト作りをしていればSEO対策が成り立つ」といった風に解釈されることがあります。
果たしてそれは、SEO対策の観点において本当に正しいことだと言えるのでしょうか。
そこで今回は、「ユーザビリティとSEO対策って関係あるの?」という方に向けて、ユーザビリティとSEO対策の相関について詳しく解説します。
SEO対策とユーザビリティの相関について
検索ユーザーのニーズに対して、求める情報をコンテンツとして提供するという意味で言えば、ユーザー重視のWEBサイト運用することはSEO対策の改善につながる重要な取り組みです。
それでは、ユーザーにとって使いやすいWEBサイトを構築した場合はどうでしょう。
その点に関しては、「ユーザビリティの改善などの施策を打てば、それがすべてSEO対策にプラスに影響する」とは言い切れません。
ユーザビリティを改善させることと、SEO対策に優れたWEBサイトを作ることは共通部分もありますが、逆に相反するものもあるからです。
そこでまずは、ユーザビリティとSEO対策の関係を知るために「ユーザビリティの改善とSEO対策で共通していること」と「相反していること」の例をそれぞれ紹介します。
ユーザビリティの改善とSEO対策が共通すること
例えば、以下のようなユーザビリティの改善はSEO対策と共通している部分です。
1-1-1.ナビゲーションを整理する
主要ページへの案内リンクであるナビゲーションは、ユーザーがどのページを閲覧していても重要なページをすぐに見つけられるだけでなく、検索エンジンに対しても重要なページを適切に伝えられるといった役割を果たします。
▸ グローバルナビゲーションとは | SEO World
1-1-2.ユーザーの検索行動を考慮した導線を設置する
ユーザーの検索行動を考慮した上で、関連性の高い情報がリンクで適切に結ばれていれば、ユーザーの滞在率や回遊率を高めるのと同時に、検索エンジンのクローラーに適切に情報が伝達されるなどSEO対策における相乗効果も期待できます。
1-1-3.ファーストビューに有益なコンテンツを設置する

ユーザーが求める情報をファーストビューに設置することは、ユーザー体験をより良いものにするだけでなく、検索エンジンが重要な情報を判断しやすくなるなど、SEO対策の観点からも非常に効果的です。
ファーストビューに過剰に広告を掲載してしまうと、ユーザーが本来見るべきコンテンツが見づらくなることから、ユーザビリティを損ね、検索エンジンからの評価を下げる可能性があるため注意が必要です。
1-1-4.正しいリダイレクトを設定する
WEBサイトを一時的に閉鎖するときやWEBサイトの構成を変更した場合、あるいはPC用とモバイル用でURLが異なる場合にリダイレクトを設定しておけば、ユーザーを混乱させずに正しいページへ誘導できるようになります。
また、検索エンジンを正しいURLへ誘導できるなど、SEO対策の観点からもリダイレクトは非常に重要な役割を担います。
ユーザビリティの改善とSEO対策が相反していること
ユーザビリティの改善に向けて良かれと思って行った内容が、SEO対策に直接貢献しないケースもあります。
1-2-1.内部リンク構造を大きく変える
ユーザビリティの改善を目的に、ユーザーにとって必要なさそうな内部リンクを削除する、ユーザーの回遊率を高めるためにリンクによる導線を過剰に増やす、という際は少し注意が必要です。その理由は、検索エンジンは設置された内部リンクを辿ってクロールをしたり、ページの関連性などを判断したりするためです。
その他、内部リンクは評価の受け渡しをする役割も担うことから、その構造を大きく変える際は十分注意しましょう。
1-2-2.画像だけでページを構成する
視認性を重視して画像をメインに構成されたページは、検索エンジンから適切な評価を受けられない可能性があります。検索エンジンの性能は向上していますが、人間と同じように画像を見ただけでその内容を理解するまでには至っていないためです。
画像を使用する場合もある程度テキストが必要になりますし、画像を設置するときはその内容を検索エンジンに適切に伝えるために必ずアンカーテキスト(alt属性)を記述するなどの作業が必要です。
▸ alt属性のSEO効果と正しい使い方 | SEO World
1-2-3.ページの情報を削る
大半のユーザーにとっては不必要な情報を削ることで、ユーザビリティの改善につながる場合があります。しかし、その一方で検索エンジンから情報が充実していないページと判断されてしまえば、SEO対策の効果は期待できません。
今の検索エンジンに対してSEO対策をする上では、検索エンジン目線でWEBサイト運用することもやはり必要になります。
ユーザビリティの改善とSEO対策は切り分けて考える
ユーザビリティの改善を重視してWEBサイトを運用したことでSEO対策に貢献することもあれば、そうでないこともあります。
そのため、現時点ではユーザーが望むことと検索エンジンが望むことをそれぞれ切り離して考える、つまり「ユーザビリティの改善とSEOは切り分けて考える」ことが大切です。
Googleは検索結果に表示する情報の質を重視する
現状、検索エンジンの評価においてGoogleが重視しているのは、検索ユーザーにとって価値ある情報を検索結果に表示させること、つまり情報の質です。
以前と比べて検索エンジンの性能は向上していますが、100%人間と同じような情報処理をするまでには達していません。よって、ユーザビリティやUI(ユーザーインターフェイス)を改善すれば、必ずSEO対策に直接貢献するかといえばそうではないのです。
そのため、今の検索結果で順位を向上させ露出をアップさせようと思ったら、ユーザビリティの改善とSEO対策を切り分けて考え、クローラビリティやアクセシビリティなども、検索エンジン目線で考えることが必要不可欠と言えます。
ユーザビリティの改善とSEOの施策は共通する部分がある一方で、現状の検索エンジンの性能からみると相反する部分もあります。そのことを前提に、ユーザーと検索エンジンがそれぞれ望むことを考慮して、ユーザビリティの改善とSEOの施策をバランスよく総合的に行うことが大切です。
以上、ユーザビリティとSEOの相関についての解説でした。