リッチリザルトとは│種類と表示されない場合の対処法
リッチリザルトとは、検索結果のスニペットに表示される、画像や評価、レビューなどの情報です。画面占有率が高く、視覚的にも目立つ箇所なのでサイトがクリックされやすくなります。この記事では、リッチリザルト(リッチスニペット)の概要から種類、設定するメリット、設定方法まで解説します。
リッチリザルトとは
リッチリザルトとは、検索結果のスニペットに表示される、画像や評価、レビューなど視覚的に目立つ情報を表示させる機能です。
通常の検索結果では「URL」「タイトル」「説明文」が表示されます。
【通常の検索結果】
リッチリザルトが表示されると、上記画像で説明した検索結果に表示される情報に、追加で画像や動画などを含む補足情報が表示されます。例えば「ナイキ ゴルフシューズ」と検索すると、以下画像のように検索結果にはURLやタイトル・説明文の他にWEBサイトで取り扱っている商品の画像が表示されます。
【リッチリザルトが表示されている例】
上記画像の赤枠内に表示されている情報のように、ユーザーにとって豊富な情報を検索結果に表示する仕組みをリッチリザルトと言います。
以前までは「リッチスニペット」や「リッチカード」「エンリッチリザルト」など種類によってそれぞれ異なる名称で呼ばれることもありましたが、現在では検索結果に表示される追加の情報を総称して「リッチリザルト」という表記で統一されています。
リッチリザルトのメリット
リッチリザルトのメリットは、クリック率が向上することです。
リッチリザルトが表示されると、検索結果上でページが視覚的に魅力的になります。また、画像や動画が表示されれば画面占有率が高くなるため、より自然検索結果でのクリック率が向上します。
以下の2つの画像はどちらも同じページで、リッチリザルトが表示されているパターンと表示されていないパターンの比較になります。
【リッチリザルト非表示】
【リッチリザルト表示】
見比べると、殆どの方がリッチリザルトが表示されている後者の方がクリック率が高いと回答するでしょう。このように、リッチリザルトが表示される最大のメリットはクリック率が向上する事です。
リッチリザルトの種類
リッチリザルト(Rich Results)は、Google検索結果において通常のテキスト情報よりも目立つように情報を表示するための手段です。
このリッチリザルトには、主に以下の3種類があります。
- リッチスニペット
- リッチカード
- エンリッチリザルト
それぞれ詳しく解説します。
リッチスニペット(Rich Snippets)
リッチスニペットは、検索結果のスニペットに追加情報を表示するものです。例えばレシピの場合、評価の星、価格範囲、製品の在庫状況、調理時間やカロリー数を表示させ、イベントの場合は、日時や場所など、標準的なテキスト検索結果には含まれない詳細な情報を表示します。
【製品情報】
【Q&A】
リッチカード(Rich Cards)
リッチカードは、2016年にリッチスニペットをもとに追加で開発された検索結果形式で、モバイルデバイスに最適化されたリッチリザルトの一種です。
リッチカードは画像とともにより視覚的な情報を提供し、ユーザーがスワイプして複数の結果を閲覧できるようになっています。
また、リッチカードは画像がカード形式で表示されるため、検索結果上でユーザーからの注目を集める事が出来ます。これによりWEBサイトへのアクセス数の増加が見込めます。
【映画】
【講演情報】
エンリッチリザルト(Enriched Results)
エンリッチリザルトは、リッチリザルトを拡張させユーザーが検索結果ページから直接アクションを行えるようになったものです。例えば、求人情報のエンリッチリザルトでは、直接応募ボタンが表示されることがあります。
エンリッチ検索に対応しているのは、「求人情報」「レシピ」「イベント」の3種類です。
【求人情報】
【レシピ】
【イベント】
エンリッチリザルトはユーザーがWEBサイトに遷移する事なく、検索結果画面から直接詳細な情報を確認する事が出来ます。
リッチリザルト一覧
2023年11月時点では、31種類のリッチリザルトがあります。
▼ リッチリザルトのタイプと詳細は以下になります。
種類 | 説明 | |
1 | Article | ニュース記事やブログ投稿などのコンテンツについての情報を提供します。これには、公開日、著者、記事の概要などが含まれます。 |
2 | Book actions | 書籍に関連する行動(購入やレビュー)へのリンクを提供します。書籍のタイトル、著者、出版社などの情報も含まれます。 |
3 | パンくずリスト | WEBサイト内のページ階層やナビゲーションパスを示します。これにより、ユーザーはサイト内の位置を簡単に把握できます。 |
4 | カルーセル | 複数の要素を含むスライドショー形式で情報を表示します。映画、レシピ、商品など様々なカテゴリのコンテンツに適用されます。 |
5 | Course list | 教育コースやプログラムについての情報を提供します。コース名、提供機関、説明などが含まれます。 |
6 | Dataset | データセットに関する情報を提供します。これには、データの説明、著者、データソースなどが含まれます。 |
7 | 教育向けQ&A | 教育関連の質問とその回答を提供します。これは学習者に有用な情報を提供するためのものです。 |
8 | 雇用主の総合評価 | 雇用主に対するレビューと評価の平均を表示します。これは求職者が企業についての情報を得るのに役立ちます。 |
9 | 給与推定額 | 特定の職業や業界の給与推定額に関する情報を提供します。これにより、求職者は給与の期待値を把握できます。 |
10 | Event | イベントに関する詳細情報を提供します。日時、場所、イベントの説明などが含まれます。 |
11 | ファクトチェック | 情報の正確性を検証するためのファクトチェック情報を提供します。この情報は、ニュース記事や公的声明などに使用されます。 |
12 | よくある質問 | よくある質問とその回答を提供します。これにより、ユーザーは特定のトピックや製品についての詳細な情報を得られます。 |
13 | 家でのアクティビティ | 家で楽しめるアクティビティについての情報を提供します。これは特にロックダウン中や自宅で過ごす時間が多い時に有用です。 |
14 | 画像メタデータ | 画像に関する追加情報を提供します。これには、撮影者、撮影日、画像の内容などが含まれます。 |
15 | 求人情報 | 仕事の募集に関する詳細情報を提供します。職種、場所、給与、求人条件などが含まれます。 |
16 | 学習用動画 | 教育的な内容を含む動画についての情報を提供します。これには、動画のタイトル、長さ、内容の概要などが含まれます。 |
17 | ローカルビジネス | 地域のビジネスに関する情報を提供します。これには、ビジネス名、場所、営業時間、連絡先などが含まれます。 |
18 | Logo | 組織やブランドのロゴを表示します。これにより、企業やブランドの認知度を高めることができます。 |
19 | 数学の解法 | 数学の問題とその解答を提供します。これは学習者にとって特に有用なリソースです。 |
20 | Movie | 映画に関する情報を提供します。これには、映画のタイトル、監督、出演者、レビューなどが含まれます。 |
21 | 練習問題 | 学習のための練習問題とその解答を提供します。これは特に教育関連のコンテンツで有用です。 |
22 | Product | 商品に関する情報を提供します。価格、レビュー、在庫状況などが含まれます。 |
23 | Q&A | 公開された質問とその回答を提供します。これは特定のトピックや製品に関するユーザーの疑問を解消するのに役立ちます。 |
24 | Recipe | レシピの材料、調理時間、栄養情報などを提供します。 |
25 | クチコミ抜粋 | 商品やサービスに関するユーザーレビューの抜粋を表示します。これにより、潜在的な顧客は製品の品質や人気度を把握できます。 |
26 | ソフトウェア アプリ | ソフトウェアアプリケーションに関する情報を提供します。これには、アプリの機能、レビュー、価格などが含まれます。 |
27 | サイトリンク検索ボックス | サイト内検索を容易にする検索ボックスを提供します。これにより、ユーザーはWEBサイト内で簡単に情報を見つけることができます。 |
28 | Video | 動画のタイトル、説明、長さなどの情報を提供します。 |
29 | Speakable | 音声アシスタントによる読み上げに最適化されたコンテンツを提供します。これは、特に音声検索が多用される環境で有用です。 |
30 | 定期購入とペイウォールコンテンツ | 有料のコンテンツやサブスクリプションサービスに関する情報を提供し、ユーザーがアクセスする前にコンテンツの種類や価格を把握できるようにします。 |
31 | 車両リスティング | 車両販売に関する詳細情報を提供し、モデル、価格、年式、走行距離などの車両情報を示します。 |
次の項目で、上記の中から代表的なものを抜粋して紹介します。
パンくずリスト
パンくずリストとは、ユーザーが閲覧しているWEBページが、WEBサイト全体のどの階層・位置にいるのかが視覚的に提示されているリンクのことを指します。
リッチリザルトのパンくずリストは、検索結果のページタイトルの上に表示されます。
Article
オンラインの記事やSNS内の投稿に対して、公開日、記事の概要などの追加情報を提供します。これにより、検索結果での記事の魅力と情報価値が向上します。
会社概要
「会社概要」をはじめ、事業内容、採用情報、アクセスなど、その会社に対してユーザーが知りたい情報が検索結果にリッチスニペットとして表示されます。視覚的に分かりやすいだけでなく、お問い合わせなどのリンクから直接そのWEBページに飛ぶことができます。
サイトリンク検索ボックス
検索結果に直接組み込まれたサイト固有の検索ボックスです。ユーザーは検索結果に表示された検索ボックスを使って、WEBサイト内を直接検索できるようになります。
カルーセル
検索結果に関連するコンテンツを、水平方向にスクロール可能なフォーマットで表示します。手順などを複数の画像で表示させる事で、ページ内にどのような情報があるのかをユーザーに伝える事が出来ます。
Product
評価サイトや口コミサイトなどでよく見かけるリッチスニペットは、星の数で「評価」が表示される他、「レビュー」の件数、「価格」などが表示されます。
Movie
映画に関連するリッチリザルトで、映画のタイトル、公開日、監督、出演者、評価などの情報を検索結果に表示させます。
教育向けQ&A
学術的または教育的な質問と、その回答を特化して表示するリッチリザルトです。
学問的なトピックに対する深い理解を促進し、知識の共有を支援します。
Video
動画コンテンツに焦点を当てたリッチリザルトで、動画のタイトル、説明、アップロード日、長さなどを検索結果に表示し、ユーザーに対して動画の概要を伝えます。
リッチリザルトの設定方法
リッチリザルトの設定方法は、Google検索がサポートする構造化データをマークアップする必要があります。構造化データとは、HTMLで書かれたページの情報やデータを、検索エンジンに理解できるよう規則に従いタグ付けしたものです。
Googleは、構造化データを参照することでWEBサイトの内容を認識しています。リッチリザルトを構造化データで正しくマークアップすれば、Googleにサイトの内容を正確に伝えることができ、検索結果にリッチリザルトを表示できるようになります。
▼ 以下はhtmlで構造化データをマークアップする手順になります。
- WEBサイトのコンテンツに適したリッチリザルトのタイプを選択する
- 構造化データの形式を決定する
- 選択したリッチリザルトに対応する構造化データのマークアップを作成します。
- 作成したマークアップをWEBサイトの適切なページに実装します。
複数のページにわたって適用する場合、それぞれのページに特有の情報(例えば、異なる製品の詳細)を反映させるようにします。尚、Googleがサポートする主な形式はJSON-LD、Microdata、RDFaの3種類ですが、JSON-LDが最も推奨されています。
JSON-LDを使用する場合、HTMLの<head>セクションか、ページの本文に、<scripttype="application/ld+json">タグとして挿入します。この中に、構造化データのJSON形式のコードを記述します。
MicrodataやRDFaを使用する場合、直接HTML要素に属性を追加してデータをマークアップします。
▼ 構造化データについて詳しく知りたい方は、別記事で詳しく解説しているのでそちらをご確認ください。
リッチリザルトの確認方法
構造化データのマークアップが間違っていれば、本来リッチリザルトが表示されるキーワードであっても表示されなくなります。リッチリザルトの設定が正しくできているかどうかは、Googleが提供している「リッチリザルトテスト」で確認することが可能です。
また、サーチコンソールからサイト内でリッチリザルトが正しく機能しているページの数を確認する事が出来ます。
リッチリザルトが正しく実装されているか確認する方法
リッチリザルトが正しく実装されているかを確認するには、リッチリザルトテストツールを使用して確認します。
【リッチリザルトの確認手順】
- リッチリザルトテスト を開く
- 確認したいURLもしくはコードを入力する
- 「URLをテスト」もしくは「コードをテスト」をクリック
「リッチリザルトテスト」のページにURLを入力すると、テスト結果が表示されます。 - 1~2分後に結果が表示されます。
リッチリザルトの対象となる構造化データが見つかった場合には、「〇件の有効なアイテムを検出しました」と表示され、検出された構造化データのリストが表示されます。
構造化データのマークアップに間違いがあればエラーが表示され、どの箇所の記述が間違っているのかを確認できます。
リッチリザルトが正しく機能しているページの数を確認する方法
設定したリッチリザルトが正しく機能しているページの数を確認するには、Googleサーチコンソールを使用します。サーチコンソール内の画面左に表示されている「拡張」メニューの下に、設定したリッチリザルトが一覧表示されます。
正しくマークアップが出来てる場合は「有効」となり、マークアップが出来ていない場合は「無効」に表示され、マークアップ出来ていない原因も確認できます。
構造化データをマークアップしたら、「リッチリザルトテスト」と「サーチコンソールの拡張」から確認するようにしましょう。
リッチリザルトが表示されない場合の対処法
▼ リッチリザルトが表示されない場合には、以下の3点を確認します。
- ガイドラインに準拠しているか確認する
- 表示されるまでに時間がかかる
- 必ず表示されるとは限らない
これらに該当する場合は、構造化データで正しくマークアップを行ってもリッチリザルトには表示されません。
ガイドラインに準拠しているか確認する
Googleのガイドラインを遵守しない場合は、構造化データをマークアップしてもリッチリザルトには表示されません。
例えば、商品のページにレシピ用の構造化データを使用している場合はGoogleのガイドラインに違反しています。レシピのマークアップは材料、調理時間、栄養情報などレシピ固有の情報を含むため、商品ページには不適切です。
また、イベントの構造化データを使って製品のプロモーションを行うこともガイドライン違反に当たります。
このように、コンテンツとは無関係なカテゴリの構造化データを使用することは、リッチリザルトの誤表示につながるためGoogleのガイドラインで禁止されています。
その他にもスパム行為に当たるものは全てガイドライン違反となります。
以下のGoogleのヘルプぺージから「構造化データに関する一般的なガイドライン」と「表示したいと考えているリッチリザルトのガイドライン」を遵守しているか確認しましょう。
【参考ページ】
・構造化データに関する一般的なガイドライン
・構造化データのマークアップの仕組みについて
表示されるまでに時間がかかる
リッチリザルトは設定した直後には表示されません。
なぜなら、リッチリザルトが表示されるのは、設定後にGoogleのクローラーが該当ページをクロールし、ページの内容を再度読み込んだ後だからです。そのため、リッチリザルトを設定してもGoogleのクローラーが巡回しなければ検索結果には以前と同じスニペットが表示されます。
クローラーが巡回するタイミングはWEBサイトによって異なるため、リッチリザルトが表示されるまでの時間もWEBサイトによって異なります。
ページが更新された事を早くGoogleのクローラーに伝えたい場合は、サーチコンソールのURL検索ツールからインデックス登録をリクエストしましょう。
必ず表示されるとは限らない
構造化データで正しくマークアップを行い、特定の機能が表示できる状態に設定したとしても、表示したいと考えているリッチリザルトが必ず表示されるとは限りません。
Googleは、リッチリザルトを表示すべきかどうかをさまざまな要因から判断しています。検索ユーザーにとってリッチリザルトが必要ないとGoogleが判断した場合、ページタイトルとURL、ディスクリプションしか表示しないこともあります。
競合他社のWEBサイトがリッチリザルトを表示しているかどうかを確認し、表示されている場合は構造化データの記述ミスなどを確認します。
表示されていない場合はリッチリザルトに適したキーワードでは無い可能性が高いため、リッチリザルトが表示されるキーワードを探した上で再度構造化データをマークアップしましょう。
【参考ページ】
構造化データに関する一般的なガイドライン | Google 検索セントラル | Google Developers
リッチリザルトのSEO効果
リッチリザルトに直接的なSEO効果は無いため、リッチリザルトを表示させる事は検索順位を上げるための直接的な施策とは言えません。ただし、リッチスニペットを表示させる際に行う構造化データマークアップは、Googleのクローラーがページの内容を正確に理解するのに役に立つため、間接的なSEO効果が期待出来ます。
Googleのジョン・ミュラー氏は、2018年4月3日のTwitter(現X)で構造化データがランキングに与える影響について、以下のようにツイートしています。
【SEM Plus編集部和訳】
「構造化データ自体は直接的なランキング要因ではありません。ただし、Google がコンテンツを理解するのに役立ち、検索結果リストにリッチスニペット/カードを追加するのに役立ち、クリックスルー率に役立ち、Google がコンテンツを理解するのに役立ち、ランキングを向上させることができます。」
このことからリッチリザルト自体に直接的なSEO効果はありませんが、リッチリザルトを表示させるための施策を行う事で間接的なSEO効果が得られる可能性があります。
まとめ
リッチリザルトは、Googleの検索結果ページ(SERPs)において、WEBサイトの情報を表示するGoogleの高度な機能です。
構造化データでリッチリザルト設定をしておけば、条件を満たすキーワードの検索結果でさまざまなリッチリザルトを表示できます。その結果、検索ユーザーに対して視覚的にアピールする事が出来るため、WEBサイトがクリックされやすくなるでしょう。
最適なリッチリザルトの実装には、適切な構造化データの選択、正確なマークアップ、そして継続的な監視と更新が必要です。本記事を読む事でリッチリザルトについての専門知識を身につけ、自身のWEBサイトに実装してみてください。
RECOMMENDED ARTICLES
ぜひ、読んで欲しい記事