SEO対策 XMLサイトマップとは?必要性と作り方・設定方法を解説

今回はクローラビリティ向上に繋がる「XMLサイトマップ」について解説します。「送信しないとSEO的によくないのか?」「HTMLサイトマップとの違いは?」など気になっている方も多いのではないでしょうか?本記事では、XMLサイトマップについて作成する意味や作成方法・SEOの効果について解説します。
XMLサイトマップとは
XMLサイトマップとは、Google検索エンジンのクローラーに対して、WEBサイト内のURLや構造を効率的に知らせるための、XML形式のファイル(sitemap.xml)です。
XMLは「Extensible Markup Language」の略で日本語に訳すと「拡張可能なマークアップ言語」になります。
XMLサイトマップには、URL・更新頻度・最終更新日・ページの優先度などの情報を記載します。(URL等の必須項目だけでも問題ありません)
作成したXMLサイトマップを、ルートディレクトリにアップロード、もしくはサーチコンソールに送信すると、GoogleのクローラーはXMLサイトマップの情報を読み込み、新しいURLを発見することができます。
XMLサイトマップが無い場合は、「内部リンク」もしくは「被リンク」から新しいURLを発見しますが、WEBサイトを立ち上げた当初はリンクを辿ってクロールされるまで時間がかかるため、XMLサイトマップを送信して、URLを発見してもらいましょう。
▼ XMLサイトマップに書かれた情報を、検索エンジンに伝えるまでの流れは以下の通りです。
- XML形式でファイルを作成する
- ファイルをサーバーにアップロードする
- サーチコンソールから送信する
【XMLとは?】
XMLは、WEBサイトの文書や情報の意味、構造を記述するためのマークアップ言語であり、データ管理を容易にするために使われることが多いです。
XMLサイトマップの役割

優先度の高いページからインデックスするよう促すことが役割です。
XMLサイトマップを作成することで、WEBサイト内のページ数や、ページ同士のつながり、更新した日付、各ページの優先順位などを知らせることができ、クローリングがスムーズになるのです。
サイトを訪れたクローラーは、ページに貼られたリンクを辿ってサイト内を巡回しますが、ページ数が多すぎたりリンクが貼られていないページがあると、1度のクローリングですべてのページを見つけられないことがあります。
また、適切にリンクが設定されていないページがある場合、1つ1つのページをクローラーが巡回し理解するには時間を要します。
その為、XMLサイトマップを送信し、サイト全体の内容を検索エンジンに伝えておくことで、漏れのないクローリングを促し、新しいコンテンツを素早く検索結果へ表示することが可能です。
XMLサイトマップとHTMLサイトマップとの違い

XMLサイトマップを作成する目的は、検索エンジンに対して複雑な構造のページやURLなどの情報を知らせ効率の良いクローリングを促すことです。WEBサイト上には表示されないため、ユーザーが目にすることはありません。
一方、HTMLサイトマップはWEBサイトを訪れたユーザーに対し、サイトの全体像を伝える案内図としての役割があります。ユーザーが、目的のページを見つけ出しやすいように、表示する役割があります。
Googleの理念であるユーザーファーストを実行するためには、WEBサイトを訪問したユーザーに対して、サイトの全体像を伝えることができるHTMLサイトマップを設置をしましょう。
また、HTMLサイトマップには直接的なSEO効果がなく、「グローバルナビゲーション」や「パンくずリスト」を導入することで代用できることから、作成しない企業も増加しています。
XMLサイトマップの確認方法
TOPページもしくは、サイトマップを設定したディレクトリのURLの末尾に「sitemap.xml」を追加したURLをブラウザのアドレスバーに入力すると、XMLサイトマップのファイルが開くため確認できます。
「404エラー」が表示された場合には、XMLサイトマップが設置されていない可能性があります。
「sitemap.xml」は使用されることが多いファイル名ですが、別の名前を使用しているWEBサイトもあります。
XMLサイトマップが必要かどうかの基準
すべてのサイトでXMLサイトマップが必要なわけではありません。
XMLサイトマップは、クローラーが効率良く巡回できるようにすることなので、サイトを立ち上げたばかりでページ数が少ない場合や、全てのページに対して適切に内部リンクが設置されている場合には、XMLサイトマップは必要ありません。
一方、サイトの規模が大きくページ数が多いサイトや、内部リンクが設置されていないページが多いサイトの場合は設置が必要です。
XMLサイトマップが必要な場合と不要な場合の具体例を紹介します。
XMLサイトマップが必要な場合
サイトのサイズが大きい(500ページ以上)
既にインデックスされているページ数が500ページ以上ある場合、新規で作成したページやリライトなどで更新したページがクロール対象から漏れる可能性があります。
内部リンクが貼られていないため、クローラーが辿り着けないページがある
ユーザーはもとより、クローラーもページを見つけることができません。
この場合は、内部リンクを設定するか、XMLサイトマップを送信してクローラーにページを認識させる必要があります。
新しいサイトのため、外部からのリンクが少ない
新規で作成したWEBサイトのため、他サイトからの被リンクが全く貼られていない、もしくは被リンクが少ない場合は、クローラーがURLを発見できないため、新しいぺージのURLをクロールキューにリストアップするまでに時間がかかるケースがあります。
XMLサイトマップを作成することで、クローラーがサイトを見つけやすくなります。
サイト内に動画やアニメーション画像が多くある、またはサイトがGoogleニュースに表示されている
クローラーは動画や画像、ニュース記事をXMLサイトマップ経由で認識する仕組みのため、動画や画像用の拡張サイトマップを送信することで、画像・動画・ニュース記事が検索結果に表示されやすくなります。
例えば動画の場合、動画の再生時間や年齢制限などもサイトマップに記述できます。
【引用元】
サイトマップ(sitemap.xml など)の概要 | Google 検索セントラル
XMLサイトマップが不要な場合
サイトのサイズが小さい(500ページ以下の場合)
ページ数が500ページ以下の場合は、クローラが全てのページを把握できる可能性が高いため、XMLサイトマップの送信は不要です。
500ページで区切る根拠は、Googleのヘルプに記載されているからですが、あくまで目安として考えておきましょう。
サイトが完全にリンクされている
サイト内の全てのページに対して、網羅的に内部リンクが貼られている場合は、内部リンクからクローラーが新しいURLを発見します。
その為、XMLサイトマップを送信しなくてもクローラーは全てのURLを発見することができます。
画像や動画、ニュースページがサイト内にほぼ存在しない
検索結果に表示させたいアニメーション・動画・ニュースなどのリッチメディアが少ない場合や、検索結果に動画や画像を表示させたくない場合には、XMLサイトマップの送信は不要です。
注意点として、500ページ以下のWEBサイトでも、内部リンクからクローラーが発見出来ないURLがある場合は、XMLサイトマップの送信を行わないとクロールの対象から漏れる場合があります。
XMLサイトマップの作成方法
テキストエディタを使って自分で書くのは非常に大変な作業なので、XMLサイトマップ自動作成ツールか、WordPressのプラグインの導入をおすすめします。
XMLサイトマップ自動作成ツールでの作り方
sitemap.xml Editor
「sitemap.xml Editor」は、ブラウザ上でXMLサイトマップが作成できる無料の自動生成ツールです。ツールのインストールや、会員登録の必要はありません。
※ 一度の作成で登録できるのは、1,000URLまでなので、URLが1,000以上のサイトの場合には、XMLサイトマップを作成できません。
▼「sitemap.xml Editor」でXMLサイトマップを作成する手順は以下の通りです。
- 「sitemap.xml Editor」にアクセス
- 画面上部にWebサイトのURLを入力
- 最終更新日:lastmodの自動取得のする、しないを選択
- サイトの更新頻度を選択
- 優先度:priorityの自動設定のする、しないを選択
- 除外ディレクトリを入力
- 同一タイトルURLの除外のする、しないを選択
- 「サイトマップ作成」ボタンをクリック
- ファイルをダウンロード
XML Sitemaps Generator
「XML Sitemaps Generator」は、ブラウザ上でXMLサイトマップが作成できる自動生成ツールです。ツールのインストールや会員登録の必要がなく、無料プランは500URLまで対応しています。
WordPressを使っている場合の作成方法
WordPressで制作されたWEBサイトなら、「XML Sitemaps」や「All in one SEO」などのプラグイン導入によりXMLサイトマップを簡単に作成することが可能です。
XML Sitemaps
「XML Sitemaps」は、XMLサイトマップを無料で作成できるプラグインです。期間を指定することで定期的にXMLサイトマップの作成と、Googleへの更新通知まで自動的に行えます。
▼「XML Sitemaps」のダウンロード・設定方法は以下の通りです。
- WordPressの管理画面にログイン
- 画面左にあるメニュー「プラグイン」をクリック
- 「新規追加」をクリック
- 画面右にある検索窓に「XML Sitemaps」を入力
- 「今すぐインストール」をクリック
- 「有効化」をクリック
- 画面左にあるメニュー「XML Sitemaps」をクリック
- 「Additional Pages」の「新しいページの追加」をクリック
- 登録したいページのURL・優先順位や更新頻度の設定・最終更新日などを入力
- 「設定を更新」をクリック
All in one SEO
「All in one SEO」は、SEO対策に効果的な機能が多数利用でき、無料でXMLサイトマップが作成できるプラグインです。HTMLサイトマップも作成できます。期間を指定することで、定期的にXMLサイトマップの作成とGoogleへの更新通知まで自動的に行えます。
▼「All in one SEO」のインストール・設定方法は以下の通りです。
- WordPressの管理画面にログイン
- 画面左にあるメニュー「プラグイン」をクリック
- 「新規追加」をクリック
- 画面右にある検索窓に「All in One SEO Pack」を入力
- 「今すぐインストール」をクリック
- 「有効化」をクリック
- 画面左にあるメニュー「All in One SEO Pack」をクリック
- 「管理機能」をクリック
- 「XMLサイトマップ」の「Active」をクリック
- 画面左にあるメニュー「XMLサイトマップ」をクリック
- 設定画面で「サイトマップを動的に生成」にチェック
- 登録したいページのURL・優先順位や更新頻度の設定・最終更新日などを入力
- 「設定を更新」をクリック
XMLサイトマップをGoogleに伝える方法
XMLサイトマップは作成しただけでは意味がありません。
XMLサイトマップをGoogleに伝えるためには、作成したファイルをrobots.txtに記述するか、GoogleサーチコンソールからXMLサイトマップをGoogleへ送信する必要があります。
前述したWordPressのプラグインを使用する場合は、ファイルの設置からGoogleへの送信までが自動的にできます。
robots.txtにsitemap.xmlの情報を登録する方法
robots.txtに、下記のような記述を加えます。
Sitemap: https://www.example.com/sitemap.xml
robots.txtに記述しただけで、すぐにXMLサイトマップに書かれた情報がGoogleに伝えられるわけではありません。Googleのクローラーがサイトに訪れたタイミングで、XMLサイトマップに書かれた情報を伝えられます。
XMLサイトマップをサーチコンソールで送信する方法
Googleへ送信する手順は以下の通りです。
- Googleサーチコンソールにログイン
- 左のメニュー「サイトマップ」をクリック
- 「新しいサイトマップの追加」の入力欄にXMLサイトマップのURLを入力
- 「送信」をクリック
「サイトマップを送信しました」と表示されれば正しく送信できています。
「OK」をクリックすると、送信されたサイトマップのステータスが確認できます。
自分でXMLサイトマップを作る場合の書き方
XMLサイトマップは、URL数が数十程度であればメモ帳などのテキストエディタを使って自分で作ることもできます。一方、ページ数が多いサイトの場合は膨大な量のURLを記述する必要があり、かなりの時間と手間がかかります。
【XMLサイトマップの例】
<?xml version=”1.0″ encoding=”UTF-8″?>
サイトマップの作成と送信
<urlset xmlns=”http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9″>
<url>
<loc>https://www.example.com/foo.html</loc>
<lastmod>2022-06-04</lastmod>
</url>
</urlset>
XMLサイトマップは、UTF-8 でエンコードする必要があります。
▼ XMLサイトマップ作成時に利用可能なXMLタグは以下の6つです。
- <urlset>タグ:必須
- <url>タグ:必須
- <loc>タグ:必須
- <lastmod>タグ:省略可能
- <changefreq>タグ:省略可能
- <priority>タグ:省略可能
<urlset>タグ
ファイルの情報全体を囲むタグです。
<url>タグ
locやlastmod、changefreq、priorityなどの情報を囲むタグです。
<loc>タグ
WebページのURLを記述し、クローラーに巡回してもらいたいURLを定義するタグです。
<lastmod>タグ
ファイルが最後に更新された日時をW3C Datetime形式で記述するタグです。
「YYYY-MM-DDThh:mmTZD」もしくは「YYYY-MM-DD 」で指定します。
例)2023-01-31T12:30:40+09:00、2023-01-31
<changefreq>タグ
ページの更新頻度を記述するタグです。
クローラーがサイトをクロールする頻度の参考にします。
- always:アクセスするたびに更新
- hourly:1時間更新
- daily:毎日更新
- weekly:毎週更新
- monthly:毎月更新
- yearly:毎年更新
- never:更新しない
ただし、Google は<changefreq> の値を無視します。
<priority>タグ
サイト内で優先度が高いページを記述するタグです。
0.0から1.0までの値で優先度を設定します。
数値が大きいほど優先度が高いです。ただし、Googleは<priority> の値を無視します。
すべてのURLに対して1.0を設定すると設定した意味がなくなるため、検索上位表したいページや新規作成したページの優先度を高く設定しましょう。
XMLサイトマップの注意点
XMLサイトマップを作成・設置する際には以下の4点に注意しましょう。
- URLの正規化・URLの表記ゆれに注意する
- noindexタグを設定しているページを除外する
- ファイルの容量が大きい場合は分ける
- 定期的に更新する必要がある
URLの正規化・URLの表記ゆれに注意する
XMLサイトマップに記述するURLは、相対パスではなく絶対パスを使用する必要があります。
また、XMLサイトマップに記述するURLは、正規URLである必要があります。
サイト内に「http」「https」や「wwwの有無」など重複したページがある場合にはcanonicalタグを使うなどしてURLの正規化をおこなっておきましょう。
noindexタグを設定しているページは除外する
XMLサイトマップにURLを記述することは、クローラーにページを巡回してもらうことを意味します。一方、ページにnoindexタグを設定することは、クローラにインデックスしてもらいたくないという意思表示です。
つまり、Googleに対する矛盾した要望になります。
noindexタグを設定しているページがサイト内にある場合は、XMLサイトマップからURLを除外しておきましょう。
XMLサイトマップにnoindexタグを設定しているページのURLが記述されていると、GoogleサーチコンソールでGoogleへ送信した際に、「送信されたURLにnoindexタグが追加されています」というエラーメッセージが表示されます。
ファイルの容量が大きい場合は分ける
XMLサイトマップに、含めることができるURLは50,000件まで、ファイルサイズの容量は圧縮されていない状態で50MBまでなので、作成するXMLサイトマップが上限を超える場合には、サイトマップを分割して作成し、「サイトマップ インデックス ファイル」に個別のサイトマップを記載した上で送信しましょう。
【2つのXMLサイトマップを記載した「サイトマップ インデックス ファイル」の記述例】
<?xml version=”1.0″ encoding=”UTF-8″?>
大きなサイトマップを分割する
<sitemapindex xmlns=”http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9″>
<sitemap>
<loc>https://www.example.com/sitemap1.xml.gz</loc>
</sitemap>
<sitemap>
<loc>https://www.example.com/sitemap2.xml.gz</loc>
</sitemap>
</sitemapindex>
定期的に更新する必要がある
作成したXMLサイトマップは一度送信すれば終わりではなく、定期的に更新する必要があります。
定期的に新規ページを作成している場合、XMLサイトマップを更新しなければ、クローラーが新規作成したページを発見するまでに時間がかかるかもしれません。
WordPressのプラグインなら、初期設定で更新頻度を設定することで自動的にXMLサイトマップの更新ができます。
XMLサイトマップのSEO効果
XMLサイトマップを活用した事による直接的なSEO効果はありません。
クローリングを効率化により、ページのインデックスを促すことができますが、検索結果の順位には直接影響しません。
ただし、XMLサイトマップを送信することでインデックスされるまでの時間が短縮されるため、間接的なSEO効果が期待できます。
また、10,000ページ以上あるような大規模サイトの場合は、全てのページがインデックスされるわけではないため、重要なページに対してクローラーを巡回させて、インデックスさせるページをコントロールする必要があります。
まとめ
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイトの構造やファイルとの関連性を伝えるための、XML形式で作成されたファイルです。
XMLサイトマップを作成・送信することでクローラーの巡回が効率よく行われるため、ページがインデックスされやすいといったSEO効果が期待できます。
作成方法や送信方法、注意点を確認し、XMLサイトマップを作成・送信しておきましょう。